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スライファー Slipher, Vesto Melvin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スライファー
Slipher, Vesto Melvin

[生]1875.11.11. インディアナマルベリー
[没]1969.11.8. アリゾナ,フラッグスタッフ
アメリカ合衆国の天文学者。インディアナ大学卒業。1909年学位取得。1901年ローエル天文台に入り,1916年台長代行,1926年台長。ここで冥王星発見に貢献した研究・観測体制を指揮した。1914年 13個の銀河の視線速度を発表。これは銀河視線速度の測定の最初のもので,宇宙膨張説を具体的に実証したものであった。アンドロメダ銀河スペクトルドップラー効果によって傾いていることを発見し,銀河回転の研究に貢献した。また木星,土星,海王星のスペクトル中にみられる吸収帯から各惑星の大気組成を明らかにし,特に海王星の大気にメタンがあることを 1933年に発見した。そのほか散光星雲が反射光で輝いていること,星間空間にナトリウム,カルシウムが存在することを明らかにした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スライファー
すらいふぁー
Vesto Melvin Slipher
(1875―1969)

アメリカの天文学者。インディアナ州マルベリーで生まれる。1901年にインディアナ大学卒業後、すぐにローウェル天文台に入り、以後同天文台で研究を続け、1926年から1952年まで台長を務めた。
 分光学の手法を用いて、金星、火星、木星、土星、天王星の大気を分光的に観測して自転周期を求めたり、木星、土星の大気にメタンやアンモニアが存在することなどを示した。またプレヤデスの拡散星雲が周りの星と同じスペクトルをもつことから、これは反射星雲であることを示した。それらの観測により、星と地球の間に星間ガスが存在することをつきとめた。彼のもっとも重要な貢献は1912年に発表された渦巻星雲(渦状銀河)の自転の検出と大きな後退速度(赤方偏移)の発見である。当時はまだ渦巻星雲が銀河系内の天体であるかどうかが議論になっている時期で、大きな後退速度の発見により渦巻星雲のいくつかは明らかに銀河系外の天体であることが判明した。これらの観測はハッブルが膨張宇宙を提案する際の前提になっている。また、台長のときにトンボーの冥王(めいおう)星の発見を指導したことでも知られる。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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