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冥王星 めいおうせいPluto

翻訳|Pluto

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

冥王星
めいおうせい
Pluto

1930年にアメリカ合衆国のクライド・W.トンボーによって発見された準惑星太陽からの平均距離は約 59億km(39.5天文単位)。軌道の離心率は 0.251と大きく,円軌道からはずれている。公転周期(→公転)は 247.69年。自転周期(→自転)は 6.3873日。赤道半径は 1185km。質量は 1.2×1022kgで地球よりも小さい。光度は 15.1等で,肉眼では見えない。軌道傾斜角は 17.1°と大きく,惑星の軌道面と比べ傾きがある。冥王星の名はローマ神話における冥府の神にちなむ。長らく海王星の外側にある 9番目の惑星と考えられてきたが,大きさや軌道の離心率,軌道傾斜角などが八つの惑星とかけ離れていたため,惑星内での位置づけが明確にできなかった。冥王星と似た性質の天体が複数発見されたことをうけ,2006年8月,国際天文学連合 IAUが準惑星を定義し,その中に冥王星も分類された。また 2008年6月,IAUにより,冥王星をはじめとする海王星の外側にある準惑星が冥王星型天体プルートイド plutoid)として分類された。五つの衛星をもつことが知られ,1978年にカロンが,2005年にニクスとヒドラが,2011年にケルベロスが,2012年にステュクスが発見されている。

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知恵蔵の解説

冥王星

1930年、クロイド・トンボー(米)に発見され、第9惑星とされてきたが、2006年の国際天文学連合(IAU)総会で採択された太陽系天体の新しい分類で、準惑星に分類されることになった。直径が月の約0.7倍の固体天体で、衛星は3個。衛星カロンの直径は冥王星の約半分。軌道は、惑星に比べて扁平な楕円軌道で、海王星軌道の内側まで入り込み、傾きも大きい。

(土佐誠 東北大学教授 / 2008年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

冥王星

1930年に米国のクライド・トンボーが発見し、太陽系の第9惑星とされた。直径は2400キロで月より小さく、太陽の周りを248年で1周する。国際天文学連合は8月24日、「(1)太陽の周りを回り(2)十分重いため球状(3)軌道近くにほかの天体(衛星を除く)がない天体」とする太陽系の惑星の新定義を発表。冥王星は(3)が当てはまらないとされ、新分類の矮(わい)惑星の一つになった。

(2006-09-14 朝日新聞 朝刊 宮崎全県 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

めいおう‐せい〔メイワウ‐〕【冥王星】

Pluto太陽系海王星の外側を回る準惑星。太陽からの平均距離59億1510万キロ、すなわち39.5402天文単位、公転周期247.796年。1930年、米国ローウェル天文台のC=W=トンボーが発見し、長らく第9惑星とされていたが、2006年国際天文学連合(IAU)により新たに準惑星に分類された。軌道は離心率が大きく、海王星の内側になることもある。最大光度13.6等。赤道半径は1195キロ、質量は地球の0.0022倍。カロンニクスヒドラケルベロスステュクスの5衛星をもつ。プルートー
[補説]2015年7月、米国の探査機ニューホライズンズが到達、接近観測に成功した。

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百科事典マイペディアの解説

冥王星【めいおうせい】

太陽系に属する天体の一つ。太陽との平均距離59億1520万km,公転周期約248年,自転周期6.387日,最大光度13.6等。赤道半径1195km,質量0.0023(地球を1とした値)。
→関連項目プルトニウム惑星

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占い用語集の解説

冥王星

蠍座の支配星。古代ローマ神話のプルトンギリシャ神話ハデス)から命名。2006年8月のAIUの会議で太陽系から外された。冥王星は各サインに二十年以上も留まるため、個人ではなく世代的な性質が色濃く出てくる。プルトンは死の神だったように、冥王星は死と隠れた事(深層無意識)に関連する。「極端」と「徹底」が特徴。

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世界大百科事典 第2版の解説

めいおうせい【冥王星 Pluto】

軌道半長径=39.5402天文単位離心率=0.2490 軌道傾斜=17゜.145太陽からの距離 最小=44.42×108km平均=59.15×108km最大=73.88×108km公転周期=248.54年 平均軌道速度=4.68km/s会合周期=366.7日 赤道半径=1137km体積=0.006(地球=1) 質量=0.0023(地球=1)平均密度=2.21g/cm3自転周期=6.387日 赤道傾斜角=120゜アルベド=0.3 平均極大光度=+14.9等赤道重力=0.07(地球=1) 脱出速度=1.26km/s太陽系の第9惑星。

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大辞林 第三版の解説

めいおうせい【冥王星】

わい惑星の一。1930年 C = W =トンボー(Clyde W. Tombaugh, 1906-1997)が発見。太陽からの平均距離は地球のそれの39.54倍。公転周期247.8年。極大時の明るさ13.6等。自転周期6.387日。直径は月の約3分の2。従来、太陽系の第九惑星とされてきたが、2006 年準惑星であると改められた。 → 準惑星

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

冥王星
めいおうせい
Pluto

発見以来長い間太陽系の最外側の惑星とみなされてきた天体。アメリカ・ローウェル天文台の創立者であるP・ローウェルは、海王星の引力を考慮に入れても天王星の運動の乱れを十分説明できないところから、海王星のさらに外側に未知の惑星が存在するとして、位置の推定と検出を試みた。ローウェルの死後も弟子のC・トンボーが探索を続け、1930年、写真観測によって海王星よりも遠い軌道を回る新天体を発見した。位置はローウェルの予測とはややずれており光度も予想外に暗かったが、すぐに第9番目の惑星として認められ、英語名プルート、日本ではその和訳として冥王星の名が与えられた。しかしのちに冥王星の質量はローウェルの予想よりもはるかに小さかったことが判明した。したがって冥王星の発見は力学的予測によるものではなく、それに触発された丹念な写真観測の成果といえる。望遠鏡の性能が飛躍的に高まった1990年代から、海王星よりも遠くを回る小天体である太陽系外縁天体が続々と発見されはじめ、冥王星はその一つであることが判明した。このため国際天文学連合(IAU)は2006年、冥王星を惑星ではなく「準惑星」とし、太陽系外縁天体の中で最初に発見されたものという位置づけを与えた。
 冥王星の太陽からの平均距離は39.5399天文単位(59億1510万キロメートル)、公転周期は248.534年だが、軌道の離心率が0.2490と大きい。このため、遠日点と近日点では太陽からの距離が73億8790万キロメートルから44億4220万キロメートルまで大きく変化し、近日点付近では海王星よりも太陽に近くなる場合がある(たとえば1979~99年の20年間)。軌道傾斜も17.145度で、八つの惑星に比べて大きい。地球から見た平均の明るさは15等級だが、近日点付近での極大光度は13.6等になる。
 1978年、アメリカ海軍天文台のクリスティは写真観測によって冥王星の衛星を発見した。衛星の公転周期は6.3867日で、この周期はそれ以前から冥王星の変光周期として知られ、冥王星の自転周期を示すと考えられていた。カロンCharonと命名されたこの衛星の運動から冥王星系の質量を求めることが可能となり、地球の0.0023倍という値が求められた。この質量は、ローウェルが天王星の軌道の乱れから推定した地球の数倍という予想質量の1000分の1以下である。
 カロンの軌道はほとんど円形で半径は1万9130キロメートル、軌道の傾斜角は91.6度である。したがってカロンは冥王星の公転軌道とほとんど垂直な面内を回っているわけだが、この両者は互いに同じ面を向け合って公転していると考えられるので、冥王星の自転軸もほぼ横倒しになっていることになる。冥王星の公転周期の間に2回ずつ、地球からカロンの軌道を真横から見る時期がある。1985~90年がそのときにあたり、冥王星とカロンが食(しょく)をおこすのが観測され、これを利用して両者の直径や表面の明るさの分布などが調べられた。この方法で求められた冥王星の直径はおよそ2400キロメートル、カロンの直径は1200キロメートル程度である。これらの値から冥王星の密度は2.0以下となるので、土星や天王星の衛星などに似た、氷を主成分とする天体と思われる。分光観測から冥王星の表面は凍ったメタンに覆われており、カロンは水の氷に覆われていることがわかっている。
 2006年8月の国際天文学連合(IAU)総会において、惑星の定義がはじめて決定され、冥王星は惑星ではなく、ドウォーフ・プラネットdwarf planet(和名=準惑星)の一つとされた。これは1992年以来、海王星よりも遠方の軌道を回る太陽系外縁天体(カイパーベルト天体、エッジワース・カイパーベルト天体、またはトランス・ネプチュニアン(海王星以遠)天体ともよばれてきた)の発見が続き、比較的小さいこと、氷が主であること、公転軌道が楕円(だえん)でかつ黄道面に対して傾いていることなど、性質が冥王星のそれと共通しているところから、冥王星が実は太陽系外縁天体の一つであり、ただ偶然非常に早く発見されたものだということが、理解されたためである。IAUの決議では、重力作用により自己の軌道領域から他の天体を排除して主要な天体としてふるまうことが惑星の条件の一つと規定されたが、冥王星は他の太陽系外縁天体や火星と木星の間の小惑星帯の天体群と同様、この条件を満たしていない。結果として太陽系の天体は、水星から海王星までの八つの惑星、冥王星を含む三つのドウォーフ・プラネット、その他の小惑星(小さな太陽系外縁天体を含む)や彗星(すいせい)などの総称である太陽系小天体(仮訳)、の三つのカテゴリーに大別されることになった。
 現代の太陽系形成論では、冥王星など太陽系外縁天体は、46億年前の太陽系形成時に、太陽から遠くにあったため惑星まで成長することができずに微惑星(惑星の一歩手前の小さな原始的天体)のまま残された天体群と考えられている。こうした発見によって、発見以来の冥王星にまつわる疑問が解消されると同時に、太陽系は従来の冥王星まで(直径およそ80天文単位)から太陽系外縁天体を含む1000天文単位以上の世界へと10倍以上に大きく広がり、きわめて豊かな歴史と構造をもつことが明確になった。[海部宣男・村山定男]

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