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スレプツォフ Vasilii Alekseevich Sleptsov

世界大百科事典 第2版の解説

スレプツォフ【Vasilii Alekseevich Sleptsov】

1836‐78
ロシアの作家。モスクワ大学医学部を中退して演劇の世界に入ったが,再び復学して今度は民族学を学び,全国を放浪して文学生活の基盤を培った。文壇にデビューした1860年ころにチェルヌイシェフスキーの思想に触れ,コミューン運動や婦人解放運動に従事,代表作の《困難な時代》(1865)では社会主義的なラズノチンツィを主人公とした。他方,雑誌《現代人》を舞台に,《泊り客》《コサック》《死んだ肉体》などの民衆生活を直視した作品を,主として1863‐66年ころに書き,人民の否定的側面を美化せずに,その〈苦い現実〉をコミカルな筆致に載せてあえて活写し,後のリアリズムに影響を与えた。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スレプツォフ
すれぷつぉふ
Василий Алексеевич Слепцов Vasiliy Alekseevich Sleptsov
(1836―1878)

ロシアの小説家。地主貴族の家に生まれる。ペンザの貴族専門学校に学ぶが、涜神(とくしん)的行為のために放校処分を受ける(1850~53)。モスクワ大学医学部は1年ほどで中退。1860年ウラジーミル(モスクワ東方約190キロメートル)へ徒歩旅行を試み、民衆の生活を実際に知り、またその生きたことばを学び取って、オーチェルク(記録文学)を書いた。以後オーチェルク風の作品によって、農奴解放後かえって圧迫のひどくなった農村生活の実態を暴き出した。代表作は『困難な時代』(1865)。農民の搾取の実態の暴露とともに、当時のリベラリストへの風刺がある。[小平 武]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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