理科や数学に重点を置いた教育を進める高校などを支援する文部科学省の事業。2002年度に開始。指定校は教材開発などを手掛け、大学や企業とも連携する。希望する高校の申請を基に文科省が指定する。指定期間は原則3年か5年。現在は200校程度ある。先進的な指導方法を他校に広め、地域の教育レベルを向上させる役割もある。
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理数系教育に重点的に取り組む高等学校および中高一貫教育校。若者の理数離れに歯止めをかけ、未来を担う科学技術系人材を育成する目的で、文部科学省が2002年度(平成14)から指定を始めた。英語の頭文字をとってSSHと略称する。学習指導要領に縛られずに、理数系授業を大幅に拡充できるほか、独自の高度なカリキュラムを導入し、大学と連携したハイレベルな授業や実験、科学への興味をかきたてる課外活動などに取り組んでいる。世界に通用する人材を育てるため、英語による理科授業や発表会の開催、海外校・研究機関との交流、国際数学オリンピックなど国際的コンテストへの参加にも積極的である。スーパーサイエンスハイスクールのなかでも科学技術人材育成重点枠(旧、コアSSH)採択校は地域の理数系教育の中核となり、周辺高校などへ高度で洗練された教育手法を普及させる役割を担っている。指定期間は当初3年であったが2005年度に5年に延長され、再指定を受けることも可能。文部科学省は科学技術振興機構(JST)を通じて指定校に独自カリキュラムの開発、実験道具などの購入、講師派遣などの費用を支援している。支援額について基礎枠指定校は年間900万~1300万円、さらに重点的な取組みを目ざしSSH指定校に最長3年まで追加の支援を行う重点枠指定校は年間500万~1300万円の予算支援がある。制度発足時の指定校は26校であったが、科学技術分野の競争力を強化するため、指定校は増加している。第二次安倍晋三(あべしんぞう)政権は理数系人材の育成を成長戦略の一環と位置づけており、2018年度の指定校は204校、累計指定校は261校となった。
世界では、アメリカの多くの州、ロシア、中国、インド、韓国などが特別学校、特別学級、飛び級などを設け、理数系人材を重点的に育成する制度を設けている。なお、文部科学省が先進校を指定する制度には、国際的なビジネス課題の解決能力をもつ人材を育てるスーパーグローバルハイスクール(SGH。2014年度から指定開始)や専門的職業人を集中的に育てるスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH。2014年度から指定開始)などがある。
[矢野 武 2019年1月21日]
(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2007年)
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