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セントウレア Centaurea

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大辞林 第三版の解説

セントウレア【Centaurea】

キク科ヤグルマギク属の植物。世界に約500種が分布。日本ではヤグルマギクをはじめ数種が観賞用に栽培される。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

セントウレア
せんとうれあ
[学]Centaurea

キク科ヤグルマギク属の総称。北アフリカ、北アジアヨーロッパ北アメリカなどに約500種分布する。一年草から宿根草まであり、一年草ではヤグルマギクC. cyanus L.、アザミヤグルマギクC. americana Nutt.のほかスイートサルタンC. moschata L.などがあり、宿根草ではオウゴンヤグルマギクC. macrocephala L.やヤマヤグルマギクC. montana L.などがよく栽培される。
 ヤグルマギクは一般にヤグルマソウとよばれているが、同じヤグルマソウの名で日本に自生するユキノシタ科の植物があるので、ヤグルマギクの名でよぶほうが正しい。花形が矢車に似るのでこの名があり、もっとも普通に栽培される。茎は高さ約70センチメートル、葉は茎下部のものは羽状全裂、上部のものは線形で白い綿毛がある。5~7月、茎頂に径4センチメートル、青藍(せいらん)色の頭花をつける。切り花用とするが、花壇用には30センチメートルくらいの矮性(わいせい)種が用いられる。スイートサルタンはニオイヤグルマともいう。茎は直立し、分枝して数本立ちとなり高さ60センチメートル。5~6月、分枝の先に径5~6センチメートル、紫紅、淡紅、黄色などの花をつける。切り花より花壇用に多く用いる。半耐寒性で、病気にはやや弱い。アザミヤグルマギクは花壇用のほか特殊切り花用とする。またヤマヤグルマギクは花壇用とし、オウゴンヤグルマギクは切り花用として近年栽培が急増している。[魚躬詔一]

栽培

一年草は9月中旬播種(はしゅ)、10月定植か、10月直播(じかま)きとする。宿根草は4~5月播種、9月中旬定植とする。肥料は少なめとし、とくに窒素肥料が多いと生育不全となるので注意を要する。[魚躬詔一]

文化史

人類が利用した記録が残るもっとも古い花の一つ。イラク北部のシャニダールの洞窟(どうくつ)遺跡から6万年前の旧石器人の埋葬がみつかり、その周りの土に多量のセントウレア属などの花粉が含まれていた。死者にセントウレアの花が手向けられたと考えられている。エジプト第18王朝のツタンカーメンの棺にもセントウレアの花が入れられていた。セントウレアの属名はリンネがつけ、その語源には諸説があるが、半人半馬の怪物で知られるギリシアのケンタウロス族との関連をとる見解もある。ケンタウロス族はギリシア東部のテッサリアに住み、そのペリオンの谷は古代ギリシアのもっとも有名な薬草の産地で、ヤグルマギクは古来、強壮、利尿、発汗、眼炎などの薬に使われた。ヤグルマギクはヨーロッパでは麦畑の雑草で、農民に嫌われていたが、17世紀には品種の改良が進み、1629年にパーキンソンJohn Parkinsonは、白、赤、青、紫などの花色があることを『地上の庭』Paradisi in Soleで述べている。青花はゲルマン民族では雷神の稲光と結び付けられ、魔力と神秘の象徴であり、19世紀のドイツ皇帝ウィルヘルム1世によってドイツの国花に定められ、第一次世界大戦時まで使われた。日本への渡来ははっきりしないが、明治中ごろまでには導入された。[湯浅浩史]

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