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窒素肥料 ちっそひりょうnitrogenous manure

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

窒素肥料
ちっそひりょう
nitrogenous manure

窒素を主成分として含む肥料。魚粉,油かすなどは有機質窒素肥料であるが,化学肥料としては,硫安塩安尿素石灰窒素硝安硝石などがある。硝酸態窒素肥料は硝酸ナトリウムの形態で存在する窒素を主成分とするもので,速効性であるが,土壌から溶脱しやすいので畑作に用いられることが多い。硫安,塩安,尿素,高度化成肥料のように,窒素をアンモニアの形で含有するアンモニア系窒素肥料が,需要は伸びている。

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百科事典マイペディアの解説

窒素肥料【ちっそひりょう】

植物の生育に欠かせない窒素を主成分とする肥料。硫安(硫酸アンモニウム),塩安(塩化アンモニウム),硝安(硝酸アンモニウム),尿素チリ硝石石灰窒素等をいう。チリ硝石以外は空気中の窒素を原料として工業的に合成される。
→関連項目アンモニア合成化学肥料石灰窒素工業全層施肥肥料肥料工業葉面散布硫安工業

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世界大百科事典 第2版の解説

ちっそひりょう【窒素肥料 nitrogen fertilizer】

植物に利用できる形態の窒素化合物を含有する資材を窒素肥料という。窒素はタンパク質,核酸,アミノ酸などに含まれる植物の重要元素であり,その欠乏は植物の生育を顕著に抑制する。肥料として広く用いられている窒素化合物としてはアンモニウム塩類,硝酸塩類,尿素,石灰窒素であり,そのほかに尿素とアルデヒド類との誘導化合物のウレアホルム,イソブチリデンダイウレア,クロトニリデンダイウレア,グアニル尿素などの緩効性合成有機質窒素肥料もある。

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大辞林 第三版の解説

ちっそひりょう【窒素肥料】

窒素を主成分とする肥料。植物の茎葉の発育を促進する。硫安・尿素・堆肥たいひ・魚肥など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

窒素肥料
ちっそひりょう

肥料三要素の一つである窒素を主成分とする肥料の総称。植物は窒素源を主としてアンモニアと硝酸の形で吸収利用するので、窒素肥料もアンモニア態か硝酸態のもの、あるいは土壌に施用されたあとで短期間にこれらの形に変化するものが使用されている。現在、日本で使われている窒素肥料を窒素の化合形態によって分類すると、無機質の硝酸塩類、アンモニウム塩類、尿素、シアナミド態窒素肥料、緩効性窒素肥料があり、また動植物の有機質肥料にも窒素肥料とみられるものが多い。[小山雄生]

硝酸塩類

硝酸アンモニウム(硝安)、硝酸ソーダ(チリ硝石)などがあり、いずれも水溶性の速効性肥料である。畑作物の追肥用として好適であるが、土壌に吸着されにくく雨水で流されやすい。また水田では窒素ガスに還元されて大気中に失われやすいので、水稲に使用することは不利である。吸湿性が強く取扱いや貯蔵に不便であるため需要はあまり多くない。[小山雄生]

アンモニウム塩類

水溶性で速効的であるが、土によく吸着されるので流亡しにくく、吸湿性もあまり大きくないのでもっともよく使われている。おもなものに硫安、塩安、リン安などがあり、陰イオンの違いによって肥効に多少の差がある。たとえば、硫安は秋落ちしやすい老朽化水田には向かず、塩安はいも類などデンプン質作物には向かない。[小山雄生]

尿素

有機物であるが肥効は通常の場合アンモニウム塩と大差がない。水溶液がイオンでないため土壌に吸着されにくく雨水で流されやすい。しかし施用後は炭酸アンモニウムに変わり、土に吸着されやすくなる。窒素当りの値段は安く、生理的にも中性で葉面散布にも使用できる利点がある。[小山雄生]

シアナミド態窒素肥料

石灰窒素があり、アルカリ性で肥効はアンモニウム塩に比べすこし遅い。生物に有毒で、この毒性を利用して微生物や小動物を制御するのに使われるなど農薬効果をあわせもつ特徴のある肥料である。[小山雄生]

緩効性窒素肥料

肥料成分の流亡を防ぐため開発された窒素肥料でグアニル尿素(ジシアンジアミドを酸性溶液中で加水分解して得た塩)、ウレアホルム(ホルムアルデヒド加工尿素)、IB(尿素とイソブチルアルデヒドの混合物)などがある。土の中で分解してアンモニアを生成するのが遅く、窒素成分がゆっくりと効く。肥効をコントロールしやすいコーティング肥料(被覆肥料)の利用が増えている。[小山雄生]

タンパク態窒素を含む肥料

魚肥、油かす類があり、有機質で土壌中で微生物によって分解されアンモニアに変化してから植物に利用されるので緩効的である。したがって濃度障害をおこさず、肥効が長続きする安全で使いやすい肥料であり、またリン酸やカリなどの成分もいっしょに含まれているので、おもに園芸作物や永年作物などに使われている。高価なため消費量はそれほど多くない。
 全般に肥料は複合化されて使用される傾向にあるので、単肥としての使用は減っているが、窒素肥料は追肥用に単肥としても用いられる。[小山雄生]

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世界大百科事典内の窒素肥料の言及

【肥料工業】より

…化学肥料工業の基礎は,1843年イギリスのJ.B.ローズがドイツのJ.vonリービヒの農業化学理論を応用し,過リン酸石灰の製造を開始したときに築かれた。19世紀の間,工業製品としての肥料過リン酸石灰のみであったが,20世紀に入ると窒素肥料の工業的製造法が相次いで開発された。すなわち,電弧法による硝酸製造,フランク=カロー法による石灰窒素の工業化,そして1913年に工業的生産が開始されたハーバー=ボッシュ法によるアンモニアの合成は,その高圧合成の技術によって,その後の化学工業の発展に大きな影響を及ぼすこととなった。…

※「窒素肥料」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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