北アフリカ、フランス領レユニオン島、南アフリカ、マダガスカル、スペイン、フランス、イタリアなど、および日本で栽培されるフウロソウ科ニオイテンジクアオイ(大葉ゼラニウム)の葉、小枝を水蒸気蒸留すると収油率0.15~0.3%で得られる精油。ゲラニウム油ともいう。各地で生産される精油は、その植物起源が明確でないものが多いので、産地によってその性状がいくぶん異なっている。ゼラニウム油の成分はゲラニオール、シトロネロール、ロジノールなどが60~70%含有されており、これらのギ酸エステルも存在している。ローズ油に似た特有の香気を有し、高級調合香料として重要である。一般香粧品、せっけん香料、ロジノールの製造原料として用いられている。
[佐藤菊正]
ゲラニウム油ともいう.フウロソウ科のPelargonium roseumの葉を蒸留すると得られる.無色ないし黄緑色の液体.主成分はゲラニオールおよびシトロネロール.0.880~0.907.1.462~1.472.せっけんの香料,化粧品などに用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…フウロソウ科の多年草(イラスト)。和名はテンジクアオイ。現在はテンジクアオイ属Pelargoniumとして分類されているが,園芸的には旧属名ゲラニウムGeraniumをそのまま使用している。一般にゼラニウムと呼ばれているものは,南アフリカ原産のモンテンジクアオイP.zonale L.を中心にP.inquinans Ait.などを交配して改良したもので,多くの系統,品種がある。草本質の半低木状となる耐寒性のない多年草で,浅い欠刻のある円状心臓形~腎臓形の葉をつけ,モンテンジクアオイの系統が強く出たものは,葉に褐色輪紋を現すことが多い。…
※「ゼラニウム油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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