ソシエテ諸島(読み)ソシエテショトウ(その他表記)Îles de la Société

デジタル大辞泉 「ソシエテ諸島」の意味・読み・例文・類語

ソシエテ‐しょとう〔‐シヨタウ〕【ソシエテ諸島】

Îles de la Société南太平洋フランス領ポリネシア西部の島群。主島はタヒチ島ほかモーレア島テティアロア島などで構成され、火山島が多い。名は、英国ロイヤルソサエティー王立協会)がJ=クック探検隊を派遣したことによる。1880年以来フランス領。ソサエティー諸島

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精選版 日本国語大辞典 「ソシエテ諸島」の意味・読み・例文・類語

ソシエテ‐しょとう‥ショタウ【ソシエテ諸島】

  1. ( ソシエテは[フランス語] Société ) 南太平洋、ポリネシア西部の諸島タヒチ島などの火山性および珊瑚礁島々から成る。フランス領。住民はポリネシア人のほか中国人、フランス人も多い。硫黄、コプラサトウキビなどを産出。主都はタヒチ島のパペーテ

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改訂新版 世界大百科事典 「ソシエテ諸島」の意味・わかりやすい解説

ソシエテ[諸島]
Îles de la Société

中部南太平洋にあるフランス領ポリネシアの主要諸島。英語名はソサエティ諸島Society Islands。1769年にタヒチ島を訪れたキャプテン・クックが,航海のスポンサーであるイギリス王立協会(ローヤル・ソサエティ)にちなんで命名したといわれる。総面積4000km2に及ぶフランス領ポリネシアは五つの島群で構成されるが,その中で最大のものがソシエテ諸島である。面積1535km2,人口22万8000(2007)。サンゴ礁に囲まれた火山島が多い。諸島はさらに東部の風上群島Îles du Vent(ウィンドワード群島)と西部の風下群島Îles Sous le Vent(リーワード群島)の二つのグループに分けられる。フランス領ポリネシアの主都パペエテがある諸島中最大のタヒチ島やモオレア島,マイアオ島,テティアロア島,メヘティアMehetia島が風上群島に属し,風下群島には太平洋で最も美しいといわれるボラ・ボラBora Bora島のほか,ライアテアRaiatea島,フアヒネHuahine島,マウピティMaupiti島といくつかの環礁が含まれる。

 現在の考古学的知見によれば,これらの島々の住民の祖先は800年ころマルキーズ諸島から渡来したポリネシア人であり,彼らはここからさらにクック諸島ニュージーランド,ハワイなど東ポリネシアの多くの島々へ植民した。マウピティ島で発掘された釣針や石斧やペンダントは,ニュージーランドのモア・ハンター期のマオリ族の工芸品と類似しているとされる。フアヒネ島ではマオリ・スタイルの武器である鯨骨製のパトゥが発見された。メヘティア島はかつてタヒチからトゥアモトゥ諸島へ向かう交易カヌーの風待ちに利用された。トゥアモトゥ語ではこの島はメケトゥと呼ばれる。この島のヒロという英雄の伝説はよく知られており,彼の2人の息子がライアテアとボラ・ボラの王になったという。ボラ・ボラで作られるカヌーの美しさは高く評価されている。ライアテアは石造の古い神殿(マラエ)や祭りが残されていることで有名である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソシエテ諸島」の意味・わかりやすい解説

ソシエテ諸島
そしえてしょとう
Îles de la Société

南太平洋、フランス領ポリネシア西部の諸島。英語名ソサイエティ諸島Society Islands。バン諸島Îles du Vent(英語名ウィンドワードWindward、風上)とスー・ル・バン諸島Îles Sous le Vent(英語名リーワードLeeward、風下)の2群に分かれる。前者に主島タヒチとモーレア、メヘティアMehetia、テティアロアTetiaroa、マイアオMaiao(ツブアイ・マヌTubuai Manu)の5島、後者にフアヒネ、ライアテア、ボラ・ボラ、マウピティMaupiti、タハーTahaa、ツパイTupai、モペーリヤMopella、マヌアエManuae、モツ・オネMotu Oneの9島が属する。このうちツパイ以下4島は環礁であるが、他はいずれも火山島である。なお、地理的にはツアモツ諸島に属すべきマカテアMakatea島が、行政的にはソシエテ諸島に組み込まれてバン諸島6島と数えられることもある。人口18万9236(1996)。バン諸島に16万2398(1996)、スー・ル・バン諸島に2万6838(1996)と分布している。名称は、1769年にイギリスの王立協会(ロイヤル・ソサイエティー)がクック探検隊をこの地に派遣したことにちなむが、1880年以来フランス領となっている。コプラ、サトウキビ、バニラのほか、真珠貝の産で知られる。

[大島襄二]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソシエテ諸島」の意味・わかりやすい解説

ソシエテ諸島
ソシエテしょとう
Îles de la Société

ソサエティ諸島ともいう。南太平洋,フランス領ポリネシアの面積の 40%,人口の 86% (1988) を占める島群。主島はタヒチ島。約 15の島々から成り,デュバン諸島,スールバン諸島の2行政地区に分けられ,前者にタヒチ,モーレア,メヒティア,テティアロアなど,後者にフアヒーネ,ライアテーア,ボラボラ,タハアなどの島々が含まれる。両諸島とも火山島とサンゴ礁島から成る。 1722年にオランダ人,67年にイギリス人 S.ウォリス,68年にはフランス人の L.ブーゲンビルが来航,1843年フランスの保護領,81年には正式にフランスの植民地になった。主産物はバニラ,ココナッツ製品など。面積 1607km2。人口 16万 2573 (1988) 。

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世界大百科事典(旧版)内のソシエテ諸島の言及

【マラエ】より

…南太平洋,フランス領ポリネシアのソシエテ諸島,トゥアモトゥ諸島の宗教遺跡。単なる立石遺跡から壮大な石積みの遺跡までを含み,宗教的儀式を行う聖域であった。…

※「ソシエテ諸島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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