ソファ(読み)そふぁ(英語表記)sofa

翻訳|sofa

改訂新版 世界大百科事典 「ソファ」の意味・わかりやすい解説

ソファ
sofa

洋風座具の一種。ソファの語は,オスマン・トルコの首相や高官などが宮廷謁見の間でカーペットやクッションをのせて使用したベンチ(アラビア語でṣuffa)に由来する。フランスでは17世紀後期から宮廷や上流貴族の邸館で使用されるようになり,カナペcanapéともよぶ。1680年代の家具目録には,〈2人から6人用の長椅子〉と規定されている。ソファと普通の長椅子との相違は,前者の方が詰物(白鳥やガチョウの羽毛,ウールなど)が豊富で,座りごこちがよく,休息用に向いており,背もたれや左右の肘掛に柔らかいクッションをのせて使用する。イギリスでは1700年ころの家具目録に現れている。T.チッペンデールは彼の家具デザイン書のなかで,さまざまなロココ調のソファを提示している。ビクトリア朝時代には,コイルスプリングが考案され,座りごこちのよいソファが完成した。19世紀初期には,背もたれを倒すとベッドに変わるソファ・ベッドも流行した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソファ」の意味・わかりやすい解説

ソファ
そふぁ
sofa

椅子(いす)は機能的な立場から、作業用と休息用、およびその中間の軽休息用の三つに分けることができる。休息用の代表安楽椅子であるが、その間口が広く、3人もしくは2人が腰掛けられる大形のものをソファという。古くは長椅子とよんでいた。普通にいう応接セットとは、安楽椅子とソファを組み合わせた形式のものである。クッション性をよくするため張りぐるみにしたものが多い。

 ソファの一種にソファベッドがある。これは背もたれを倒すとベッドになるもので、予備寝台として使われる。

[小原二郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ソファ」の意味・わかりやすい解説

ソファ

洋風家具の一つ。背および肘(ひじ)付きの長い椅子(いす)をいう。布張りまたは革張りで,羽毛やウールなどを詰めて座りごこちよく作られる。2〜3人用が一般。ソファベッドは背部を後ろに倒してベッドに使用できるもの。
→関連項目椅子

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

家とインテリアの用語がわかる辞典 「ソファ」の解説

ソファ【sofa】

座面や背もたれにスプリングコイル・ウレタン・わたなどを入れて弾力を持たせ、布や革などを張った、ゆったりとくつろぐための椅子(いす)。居間や応接室などで用いる。

出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のソファの言及

【クレビヨン父子】より

…才気に富み,若いころから上流社交界に出入りして,その風俗と愛欲心理を格調のある文体で描いた。代表作は《心の迷い,気の迷い》(1736),《ソファ》(1745),《夜とそのとき》(1755)などであるが,なかでも《ソファ》が有名。輪廻の法則によってかつてソファであった若い廷臣が,自分のうえで過ごされた男女のひめごとを次々に王に語って聞かせるという設定の好色本で,感傷を排した大胆な分析で18世紀の退廃的な空気を伝えている。…

【好色文学】より

…一方,史伝的逸話集にブラントームの《艶婦伝》(死後出版。1666),自伝にカサノーバの《回想録》があるほか,18世紀には純粋の好色文学として,フランスにクレビヨン・フィスの《ソファー》(1745)その他の諸作,イギリスにクレランドの《ファニー・ヒル》(1748‐49)などが見られる。そして18世紀末にサド侯爵が現れて,禁忌の全的侵犯としてのエロティシズムの哲学を確立する。…

※「ソファ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android