ソンガイ王国(読み)ソンガイおうこく(その他表記)Songhai; Songhay

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソンガイ王国」の意味・わかりやすい解説

ソンガイ王国
ソンガイおうこく
Songhai; Songhay

ブラック・アフリカで最大の版図をもった西スーダンの王国。ガーナ王国マリ帝国と同様に,長距離交易の軍事的な保護と隣接する諸国家の侵略と貢納の強要によりサハラ砂漠南縁に形成された。首都ガオ (現マリ領) の名をとってガオ王国とも呼ばれる。起源は8世紀にさかのぼるが,初期の王は呪術的な性格が強かったとされる。ガオは,14世紀にはニジェール川大湾曲部地域に覇をとなえたマリ帝国の一地方であったが,その後 300年の間,繁栄し版図を拡大した。 15世紀後半,ソンニ・アリ王 (在位 1464~92) がマリ帝国の支配をくつがえし,ソンニ・アリ王の死後,ソンニ王朝を廃してアスキア王朝を築いたアスキア・ムハンマド (在位 1493~1528) は,版図を拡大するとともに宗教と交易を保護したため,交易都市トンブクトゥは繁栄をきわめた。しかしながら,ムハンマド4世 (在位 1586~88) の時代の内乱に続いて,イスハーク2世 (在位 1588~91) の治世に,火器を装備したモロッコ軍がソンガイの騎馬隊を壊滅状態にし,トンディビ,トンブクトゥ,ガオを征服,ソンガイ王国は 1591年に滅亡した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ソンガイ王国」の解説

ソンガイ王国
ソンガイおうこく
Songhai

15〜16世紀に,西スーダンで最大版図をもった黒人イスラーム王国
起源は9世紀にさかのぼるとされる,黒人のソンガイ族によって樹立された国。1473年にマリ王国の支配を覆して王国として成立。首都ガオの名から,別名ガオ王国とも呼ばれる。その支配は,先行するガーナ王国・マリ王国と同様,長距離交易の軍事的な保護という性格が強かった。15世紀末〜16世紀前半にかけて王国の版図が拡大されるとともに,宗教・交易都市トンブクトゥは空前の繁栄を迎え,黒人による最初の大学が創設された。しかし,1580年代から疫病干ばつ洪水などの災害に加え,内紛も生じた。1591年,かねてサハラとその南の黒人国家野心を抱いていたモロッコ軍の攻撃を受け,王国は崩壊。

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