タブラ(その他表記)tabla

翻訳|tabla

デジタル大辞泉 「タブラ」の意味・読み・例文・類語

タブラ(〈ヒンディー〉tablā)

インドの代表的な太鼓木製または陶製の底のある釜形の胴の上面に革を張ったもの。低音用の太鼓バヤと一組にしたものをいうこともある。→タブラバヤ

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精選版 日本国語大辞典 「タブラ」の意味・読み・例文・類語

タブラ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ヒンディー語] tablā ) インドの代表的な太鼓。木製または陶製の底のある釜形の胴の上面に革を張り、わくをひもでしめたもの。低音を出す筒形の太鼓バヤと一組みにして一人の奏者が打つ。ふつう、その一組みでタブラという。タブラバヤ。

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改訂新版 世界大百科事典 「タブラ」の意味・わかりやすい解説

タブラ
tabla

北インドで最も一般的に用いられている一面太鼓。バヤbayaと呼ばれる太鼓と一組をなし,二つ一組にしてタブラと呼ぶこともある。南インドに古くから伝わるパッカワージpackhawājという両面太鼓があり,宮廷音楽家アミール・ホスローが,これを二つに分け,上から打つタブラ,バヤを考案したとされている。タブラは一木をくり抜いた胴で作られ,右手で演奏される。バヤは,金属,素焼のいずれかでできており,左手で演奏される。上部の革はタブラ,バヤともに二重にはられ,革紐で締められているが,タブラでは胴と革紐の間に,円筒形木片が挟み込まれていて,これを上下させることでピッチを変える。タブラは普通7音中のサの音に調律され,バヤは1オクターブ低く調律される。革の表面に炭や膠(にかわ)などの混合物の練物を付けることで,また,打つ場所や使う指により音色の変化を出す。タブラは,シタールサロード声楽などの古典音楽の伴奏だけでなく,民謡,ポピュラー音楽,映画音楽,舞踊の伴奏などに欠くことのできない楽器である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タブラ」の意味・わかりやすい解説

タブラ
tabla

北インドの最も代表的な膜鳴楽器。正確にはタブラとバヤ bayaの2個から成っているので,タブラ・バヤと呼ばれる。右手で奏するタブラは木をくりぬいた胴,左手のバヤは粘土あるいは銅製の胴。両方とも表面に皮が張られ,調子を合せる締め紐がついている。2個の太鼓はオクターブに調律され,音色の変化をリズムに与えるため表皮には鉄粉を混ぜた練りものが小円形に塗りつけられている。声楽や器楽演奏に必ずリズム楽器として用いられ,手のひら,5指で非常に高度なリズムを奏する。

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世界大百科事典(旧版)内のタブラの言及

【イーカーア】より

…このリズム型を意味するのにワズンwazun,ダルブḍarbの語が用いられることもある。リズムを打つ楽器には,タブラナッカーラなどがある。【粟倉 宏子】。…

※「タブラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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