翻訳|tabla
北インドで最も一般的に用いられている一面太鼓。バヤbayaと呼ばれる太鼓と一組をなし,二つ一組にしてタブラと呼ぶこともある。南インドに古くから伝わるパッカワージpackhawājという両面太鼓があり,宮廷音楽家アミール・ホスローが,これを二つに分け,上から打つタブラ,バヤを考案したとされている。タブラは一木をくり抜いた胴で作られ,右手で演奏される。バヤは,金属,素焼のいずれかでできており,左手で演奏される。上部の革はタブラ,バヤともに二重にはられ,革紐で締められているが,タブラでは胴と革紐の間に,円筒形の木片が挟み込まれていて,これを上下させることでピッチを変える。タブラは普通7音中のサの音に調律され,バヤは1オクターブ低く調律される。革の表面に炭や膠(にかわ)などの混合物の練物を付けることで,また,打つ場所や使う指により音色の変化を出す。タブラは,シタール,サロード,声楽などの古典音楽の伴奏だけでなく,民謡,ポピュラー音楽,映画音楽,舞踊の伴奏などに欠くことのできない楽器である。
執筆者:本屋 邦子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
※「タブラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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