日本大百科全書(ニッポニカ) 「シタール」の意味・わかりやすい解説
シタール
したーる
sitar
北インドのリュート型撥弦(はつげん)楽器。全長約130センチメートル、チーク材製の長い棹(さお)と、カボチャの半割りにチーク板を張った胴体をもつ。棹は長さ約90センチメートル、幅約8センチメートルで凹型にくぼんでおり、これに弓状に湾曲したフレットを紐(ひも)で結び付ける。フレットは真鍮(しんちゅう)製で、通常20個。その位置は、演奏ラーガ(旋法)によって調節する。主要弦は7本、そのうち2本はリズム、ドローン用のチカリ弦。フレットの下には13本の共鳴弦を張る。すべて金属製。右手の親指を胴体の付け根に置き、人差し指に針金製の爪(つめ)をはめて弾奏する。シタールは14世紀ごろペルシアのセタールから考案されたといわれ、ラビ・シャンカールの演奏によって世界的に知られるようになった。
[柴田典子]