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タラスコ Tarasco

世界大百科事典 第2版の解説

タラスコ【Tarasco】

メキシコ中西部ミチョアカン州の多数の寒冷な山間村落に住む原住民で,メキシコの他の原住民集団と言語学的関連が見られない点に特徴がある。約11万の人口の大半はスペイン語も併用している。1522年スペイン人に征服されるまで,タラスコ王国はアステカ王国の攻撃に屈することなく,バルサ川以西,現在のハリスコ,ケレタログアナフアトの各州にも勢力を広げていた。37年V.deキロガがこの地方の初代司教に着任,エラスムスの思想に基づくユートピア建設を試みたことは名高い。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タラスコ
たらすこ
Tarasco

メキシコ中西部、ミチョアカン州北部の火山性高原に住む人々。言語はタラスコ語。現在ではスペイン語を話せる者が多くなっているが、地域によってはタラスコ語しか話せない人がほとんどである。生業は農業で、トウモロコシ、カボチャ、豆類を栽培し、ヒツジ、ブタ、ニワトリなどを飼う。ウシに犂(すき)を引かせ、掘り棒を使って種を播(ま)く。そのほか、魚や動物をとり、また農園などで賃金労働を行う。板、または日干しれんがの壁の家に夫婦とその未婚の子供が住む。ときには父と結婚した息子とが一つの屋敷内に住み、経済活動を共同で行うこともあるが、一般的には核家族が基本的な社会単位である。村は数十~数百人からなり、いくつかの村がムニシピオ(自治体)を構成する。各ムニシピオは独立の政治的自治組織をもつ。出自は父系。結婚後、夫婦はたいてい最初の子が生まれるまでは夫の父の家に住み、その後、新しい家を建てて移る。相続は原則として男女の区別なく均等になされる。ラテンアメリカに広くみられるコンパドラスゴとよばれる儀礼的親族関係(洗礼を受ける者とその代父母との関係)は、タラスコ人にとって宗教的にだけでなく社会的にもきわめて重要である。宗教は土着化したキリスト教。聖人、とくにムニシピオの守護聖人の祭りは盛大に行われる。[板橋作美]

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世界大百科事典内のタラスコの言及

【アメリカ・インディアン】より

…中央高原ではテオティワカンのあと,トゥーラを中心としたトルテカ文化,そのあとの混乱から生まれて諸民族の平定を図ったアステカ文化など,支配民族とその王国の交替がはげしかった。今日,高原では,オトミタラスコサポテコ,ミヘなどインディオが存続するが,スペイン人との混血が多い。南部では,チアパスやユカタン地方,グアテマラ高地のマヤ系諸民族が,小さな地方的まとまりを固くして,伝統的文化を残している。…

【パツクアロ[湖]】より

…周辺の山地とよく調和した美しい湖で,観光や保養のために訪れる人々が多い。湖上にはハニツオ島,ハラクロア島があり,タラスコ族の居住地となっている。カヌーを使った独特の網漁業が行われ,観光の対象となっている。…

※「タラスコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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