チャールトン(その他表記)Charlton, Bobby

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャールトン」の意味・わかりやすい解説

チャールトン
Charlton, Bobby

[生]1937.10.11. ノーサンバーランド,アシントン
[没]2023.10.21. チェシャーイースト,マックルズフィールド
ボビー・チャールトン。イギリスのサッカー選手,監督。本名 Sir Robert Charlton。イングランド代表のフォワードとして 1957年から 1973年まで 106試合に出場し 49得点を上げるなど,テクニックとパワーを兼ね備え,イギリスで最も偉大なサッカー選手の一人といわれた。
1954年,17歳でプレミアリーグマンチェスター・ユナイテッドのプロ選手となる。1958年2月6日に「ミュンヘン悲劇」と呼ばれる飛行機事故で 8人のチームメートを失うも,自身は奇跡的に一命をとりとめた。1973年にチームを退団するまでに,公式戦 758試合に出場し,249得点をマーク,チームの 3度のリーグ優勝(1957,1965,1967)に貢献。1968年にはキャプテンとしてチームをイングランド初のヨーロッパ・カップ European Champion Clubs'Cup(現在のヨーロッパ・チャンピオンズリーグ)優勝に導いた。イングランド代表としては,1966年に自国開催のワールドカップで優勝し,その年のヨーロッパ最優秀選手(バロンドール)に選ばれた。1984年マンチェスターユナイテッド役員就任。イングランドのスポーツ界の顔として,オリンピック競技大会などの招致活動で重要な役割を果たした。1994年ナイト爵位授与。日本においても,2012年の春の叙勲で旭日小綬章を受章著書に『私のサッカー人生』My Soccer Life(1965),『自叙伝:マンチェスター・ユナイテッドでの日々』My Manchester United Years: The Autobiography(2007)など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャールトン」の意味・わかりやすい解説

チャールトン
ちゃーるとん
Bobby Charlton
(1937―2023)

イングランドのプロサッカー選手。ボビー・チャールトンとよばれる。本名はロバート・チャールトンでボビーはニックネーム。10月11日、イングランドのアシントンに生まれる。イングランド代表として106試合に出場し、総得点49は、2017年1月にウェイン・ルーニーWayne Rooney(1985― )が更新するまでイングランド代表の最高記録であった。19歳のときマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)でトップリーグ初出場。2年後の1958年、チームはミュンヘンの航空機事故で多くのレギュラーメンバーを失ったが、奇跡的に生還したチャールトンは、やはり生き残った監督バスビーMatt Busby(1909―1994)とともにチームを再建。事故から10年を経た1968年に、イングランドのクラブとしては初のヨーロッパ・チャンピオンズ・カップ(現、UEFAチャンピオンズ・リーグ)優勝を果たした。その2年前の1966年には、イングランド代表の中心選手としてワールドカップ優勝に貢献、同年ヨーロッパ最優秀選手賞(バロンドール)を受賞している。冷静沈着な判断力と正確なパスを駆使するゲームメーカーであると同時に、「キャノンシュート」とよばれる強烈なシュート力で得点を量産した。

[西部謙司]

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