出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
アメリカのアール・ヌーボーのガラス工芸家,デザイナー。ニューヨークの有名な宝石商C.L.ティファニーの息子としてニューヨークで生まれる。はじめは印象派スタイルの風景画家として名をなしたが,フィラデルフィア百年記念展に自らの作品を出品したとき,日本美術,とりわけ工芸品の展示品を見て深く感動し,工芸分野への関心を高めた。まずステンド・グラスの制作を開始し,1878年にガラス工房を設立して,積極的にガラス工芸活動を行った。79年,友人たちとともに〈Louis C.Tiffany & Company with Associated Artists〉をおこし,インテリア一般のデザインを行った。82年にこの連合会社を解散して,85年にティファニー・ガラス会社を設立した。彼の作風は,アール・ヌーボーにおけるガラスのなかでも,自ら〈ファブリル・グラスFavrile glass(ラスター彩のガラス)〉と呼ぶ一つのジャンルを形成し,ガラス器,ランプシェード,ステンド・グラス,モザイクなどに,ピーコック(クジャク)・パターン,イリデセンス(真珠貝の虹色),豊かなやわらかい印象派風の色調と構図を特徴とした。さらに彼の活動は,92年に設立した〈ティファニー・ガラス装飾会社〉(通称ティファニー・スタジオ)を中心に,ガラスのほか,金工,宝飾,皮革,家具,インテリア・デザイン,その他工芸全般にわたって広範に展開された。1902年彼の父の死後は宝石店にも力を入れた。18年にはティファニー・ファンデーションを設立して,ティファニー・スタジオは事実上ファンデーションの中に吸収,縮小された。彼の死の前年,ティファニー・スタジオは破産したが,ティファニーの死後も,役員の一人ジョゼフ・ブリッグズによって38年まで続けられた。
執筆者:由水 常雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
アメリカの工芸家。有名な宝石店ティファニー商会の創立者チャールズ・L・ティファニーCharles Lewis T.(1812―1902)の子としてニューヨークに生まれる。当初画家を志してフランスなどヨーロッパ各地を旅行したが、1870年代末から工芸に対する関心を深め、陶磁、金工、宝飾、家具、インテリア、染織などさまざまな分野で活躍した。なかでもアール・ヌーボーのガラス工芸は有名で、自ら「ファブリール・グラス」と名づけた柔らかな虹色(にじいろ)の光沢のあるガラスでつくった花器やランプシェードは、ティファニー・グラスとして広く知られている。また、ボナールやビュイヤールやロートレックのデザインによるステンドグラスの制作も手がけた。
[谷田博行]
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