テトラエチル鉛(読み)テトラエチルナマリ(その他表記)tetraethyllead

翻訳|tetraethyllead

デジタル大辞泉 「テトラエチル鉛」の意味・読み・例文・類語

テトラエチル‐なまり【テトラエチル鉛】

無色可燃性猛毒液体。かつてアンチノック剤としてガソリンに添加された。大気汚染物質一つ。化学式Pb(C2H54 四エチル鉛TEL(tetraethyl lead)。

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精選版 日本国語大辞典 「テトラエチル鉛」の意味・読み・例文・類語

テトラエチル‐なまり【テトラエチル鉛】

  1. 〘 名詞 〙 ( テトラエチルは[英語] tetraethyl ) =しエチルなまり(四━鉛)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テトラエチル鉛」の意味・わかりやすい解説

テトラエチル鉛
てとらえちるなまり
tetraethyllead

テトラアルキル鉛の一つ。四エチル鉛ともいう。塩化鉛とエチル亜鉛、あるいは塩化エチルマグネシウム(グリニャール試薬)との反応でつくる。鉛を電極にしてブロモエタンを電解還元する方法もある。

      Pb
  4C2H5Br → (C2H5)4Pb+4Br
      +e
 無色の液体。オレンジ色の炎を出して燃える。ベンゼン、ガソリン、石油エーテル可溶、水に不溶。きわめて有毒である。

 ノッキング防止剤としてガソリンに混合して用いられてきた(有鉛ガソリン)が、環境問題に端を発して、テトラエチル鉛を含まない無鉛ガソリンに移行した。吸入および皮膚からの吸収により鉛中毒を引き起こすので、取扱いには注意を要する。

[佐藤武雄]


テトラエチル鉛(データノート)
てとらえちるなまりでーたのーと

テトラエチル鉛
  (C2H5)4Pb
 分子式  C8H20Pb
 分子量  323.4
 融点   -136℃
 沸点   198~202℃(227.7℃で分解
 比重   1.6524(測定温度20℃)
 屈折率  (n)1.5195

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テトラエチル鉛」の意味・わかりやすい解説

テトラエチル鉛
テトラエチルなまり
tetraethyl lead

四エチル鉛ともいう。化学式 Pb(C2H5)4 。無色の液体。融点-135℃,沸点 198~202℃。室温でも徐々に分解する。神経系統をおかす猛毒である。引火しやすく火災の危険もある。水には不溶であるが,ベンゼン,ガソリンなどに可溶。アンチノック剤としてガソリンに添加されたが,今日では公害問題を考慮して使われてない。

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百科事典マイペディア 「テトラエチル鉛」の意味・わかりやすい解説

テトラエチル鉛【テトラエチルなまり】

四(し)エチル鉛

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化学辞典 第2版 「テトラエチル鉛」の解説

テトラエチル鉛
テトラエチルナマリ
tetraethyllead

[同義異語]テトラエチルプルンバン

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のテトラエチル鉛の言及

【四エチル鉛】より

…有機金属化合物の一つで,テトラエチル鉛ともいう。化学式Pb(C2H5)4。…

※「テトラエチル鉛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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