デジタル大辞泉 「テロ対策特別措置法」の意味・読み・例文・類語
テロたいさく‐とくべつそちほう〔‐トクベツソチハフ〕【テロ対策特別措置法】
2 1に代わって制定された補給支援特別措置法の通称。
正式名称は「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」。
2001年9月11日、アメリカ・ニューヨークのツインタワービルやワシントン郊外の国防総省(ペンタゴン)などに対して行われた、テロリスト組織・アルカイダ(基地の意味)によるハイジャックされた旅客機の自爆攻撃に対して、アメリカのブッシュ政権は「対テロ戦争」を開始し、同組織をかくまっているとされるアフガニスタンのタリバン政権打倒のためのアフガニスタン戦争が実施された。日本の小泉政権はこの「対テロ戦争」を支持すると同時に、兵站(へいたん)分野で自衛隊が作戦協力するため、2001年(平成13)11月2日にテロ対策特別措置法(平成13年法律第113号)を公布した。これは2年の時限立法であったが、同法は2003年に2年延長され、2005年、2006年にもそれぞれ1年延長された。2007年も政府は同法を延長する姿勢をみせたが、同年7月の参院選で参議院第一党となった民主党をはじめとする野党の強硬な反対により11月2日に失効した。
兵站支援の内容は、(1)海上自衛隊の補給艦によるインド洋・アラビア海でのアメリカ海軍艦艇等への洋上燃料補給、(2)航空自衛隊の輸送機による日本国内米軍基地およびグアムなど海外基地間の物資・兵員輸送協力、(3)捜索救難活動、の3分野である。この法律の政治的な根拠は日米同盟であり、アメリカからは「進行中の戦闘作戦(ongoing combat operation)に対する歴史上初めての支援」(アメリカ国防総省報告「同盟国の貢献」・2002年6月)と高く評価された。
なお、2008年1月、テロ対策特別措置法にかわる補給支援特別措置法が参議院での否決後、衆議院の3分の2以上の賛成によって再可決、成立している。
[松尾高志]
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(田岡俊次 軍事ジャーナリスト / 2008年)
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