翻訳|disk brake
自動車の制動装置の一型式。車輪とともに回転する鉄製のディスク(円盤)を、両側から摩擦材のパッドで挟み付けて止める。ディスクはつねに気流にさらされて放熱しているので、ドラムブレーキのようなフェード現象はおきにくい。初め着陸速度の高いジェット機用として開発されたが、1950年代に入ってレーシングカーに使用されるようになり、今日では日本の軽自動車を含めてほとんどすべての乗用車と、スポーツ用オートバイに用いられている。
駐車ブレーキとしての能力は低いので、通常の実用車では、重要な前輪だけにディスクブレーキを用い、後輪はドラムブレーキですませるのが普通である。またドラムブレーキのようなセルフサーボ(自己倍力)効果はほとんど望めないので、速い車や重い車では別にバキュームサーボ(真空倍力)装置を備える必要がある。最近ではレーシングカー、とくに速度の高い車、重量の大きい車などでは、ディスクを二枚にし、間を冷却気が通るベンチレーテッド・ディスクブレーキも使われている。
[高島鎮雄]
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…駐車ブレーキはハンドブレーキとも呼ばれ,ワイヤによって力を伝達して前後輪のうちどちらかに制動力を作用させるもので,ラチェットによってその力を保持するようにしている。常用ブレーキは,ブレーキペダルを踏むことにより作動するもので,油圧により制御され,制動力発生の機構によりドラムブレーキとディスクブレーキとに分けられる(図3)。ドラムブレーキは,車輪と一体に回転するドラムに内側からブレーキライニングのついたブレーキシューを押しつけ,運動エネルギーを熱エネルギーに変えて制動を行うものである。…
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[ブレーキと連結器]
鉄道車両を安全に運転し,所定の位置に停止させるためにブレーキ装置は重要であり,法規上も種々の規定が設けられている。ブレーキ装置は,機械式ブレーキと電気式ブレーキに大別され,前者には,制輪子を車輪踏面に押しつける制輪子ブレーキ,制輪子を車輪とは別の回転体に押しつけるディスクブレーキ,制輪子をレールに押しつけるレールブレーキなどの種類があり,後者の電気式ブレーキには,車両の運動エネルギーを利用して主電動機を発電機として使用し,得た電気エネルギーを抵抗器によって熱として消費する発電ブレーキ,同様にして得た電気エネルギーを電車線を通して返還する電力回生ブレーキなどの種類がある。機械ブレーキは,その動力の種類によって,手ブレーキ,真空ブレーキ,圧力空気ブレーキ,油圧ブレーキなどに分類される。…
…その後,長大編成のものでは,ブレーキ応答を早くするため,ブレーキ弁からの電気指令で電磁弁を制御し,編成各車両のブレーキ管圧力制御を同時に行うようにした電磁自動空気ブレーキや,直通ブレーキを電磁弁で制御するようにした電磁直通空気ブレーキ(ただし自動空気ブレーキなどと併設)がもっぱら用いられ,さらに,最近では純電気指令式の空気ブレーキを用いるものが増えてきた。これらの機械ブレーキによる制動力の発生方法には,ブレーキシリンダーからてこを介して,車輪踏面を制輪子により押し付ける方法と,車軸に取り付けられた円板(ディスク)を両側からブレーキライニングで押し付けるディスクブレーキ方式がある。後者は容量が大きくとれるが,電動車の場合はスペースが少なく,新幹線電車以外ではあまり用いられていない。…
…ブレーキ本体(回転体とブレーキ片)が摩擦熱によって高温になりやすいので,摩擦ブレーキの設計では熱の逃がし方が重要となる。 摩擦ブレーキは回転体の形状により,ドラム形(円筒形)のドラムブレーキ,ディスク形(円板形)のディスクブレーキに大別できる。ドラムブレーキは,ブレーキ輪というドラム形回転体の外面あるいは内面にブレーキ片を押しつけて摩擦力を発生するもので,自動車用のものでは,コンパクトにまとめる必要から,ブレーキ輪の内側にシューと呼ぶ二つに分かれたブレーキ片を押しつける構造となっている。…
※「ディスクブレーキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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