ディムヤート(その他表記)Dimyāṭ

改訂新版 世界大百科事典 「ディムヤート」の意味・わかりやすい解説

ディムヤート
Dimyāṭ

エジプト北部,ナイル・デルタ地帯にある都市。ダミエッタDamiettaとも呼ばれる。人口11万3000(1991)。ナイル川支流の出口にあたり,マンザラ湖Buḥayra al-Manzalaという砂州に囲まれた塩湖に面している。古代には〈北の地〉という意味で〈タ・メットTa Meht〉と呼ばれていた。その頃の町は,河口にあるラース・アルバルの北の位置にあり,現在の場所に移ったのはイスラム時代になってからである。ギリシア時代にはタミアティスTamiathisと呼ばれ,そこからアラビア語のディムヤートの名が生まれた。地中海に面しているので水運の便もよく,イスラム時代には商業都市として発達した。また軍事的要衝であったこの町は,ビザンティン軍や十字軍の攻撃の的となり,とくに,1219年と49年には十字軍の占領をうけ,イスラム側との攻防は町の破壊・荒廃をもたらした。現在は商工業都市として栄え,伝統的な絹織物の技術が高く,この地の特産となっている。
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百科事典マイペディア 「ディムヤート」の意味・わかりやすい解説

ディムヤート

エジプトの北部,ナイル・デルタ北東部の港湾都市。ダミエッタとも。ポート・サイド北西約55km,河口から約13kmにある。綿紡績,絹織物,皮革などの工業が行われる。古代より知られるがイスラム帝国時代に発展。13世紀に十字軍に市街を破壊された。7万9000人(1996)。

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