デイトン(アメリカ合衆国)(読み)でいとん(英語表記)Dayton

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

デイトン(アメリカ合衆国)
でいとん
Dayton

アメリカ合衆国、オハイオ州南東部、グレート・マイアミ川に臨む都市。人口16万6179(2000)。豊かな農業地帯に立地し、農産物の市場でもあるが、軽工業を軸とした工業都市としても重要である。とくに金銭登録機、電気冷蔵庫や家庭用品、自動車部品の生産が高く、印刷業も盛ん。また、1903年にここで生まれたライト兄弟の初飛行成功によって、以後合衆国の飛行・航空技術研究のリーダー都市の一つとして高く評価されており、ライト・パターソン空軍基地の所在地でもある。古くはニュー・オーリンズ向けの農産物の積出し地であったが、南北戦争前後の運河、鉄道、さらに工業の発達で急成長した。工業都市の活気とともに文化の香りも高く、イタリア・ルネサンス様式の美しいデイトン美術館は同市のシンボルとなっている。1995年、市域の空軍基地でボスニア・ヘルツェゴビナ和平協定が合意された(デイトン合意)。

[作野和世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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