翻訳|desiccator
除湿器ともいう。固体または液体の乾燥剤を使用して,各種のサンプルを乾燥したり,蓄えたりするのに用いる厚肉ガラス製の器。化学実験室では図に示したようなタイプのものが最も普通に用いられる。底に乾燥剤(シリカゲル,塩化カルシウム,五酸化二リンなどの固体,あるいは濃硫酸など)を入れ,穴のあいた磁製の底板をおき,その上に乾燥しようとするサンプルをおいてふたをする。ふたと容器本体の接触部はすり合せになっており,ここにグリースなどを塗って気密になるようにしておく。目的によって各種の大きさのものが用いられている。また,ふたの頂上部あるいは容器本体の横に穴をあけ,これにコックをつけ,真空ポンプとつないで内部を減圧できるようになっているものもあり,真空デシケーターと呼んでいる。この場合は減圧になるため,より強く乾燥することができる。
執筆者:中原 勝儼
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
化学実験器具の一つで、吸湿性の固体、液体の乾燥、保存などに利用される容器。通常は厚肉ガラス製で、蓋(ふた)と容器本体とはすり合わせで密着するように加工されている。
容器本体はくびれによって底板を保持する構造をとり、底板下に乾燥剤、底板上に試料を置く。蓋と本体とのすり合わせ部分には薄くグリースを塗って密着性を高めるのが普通であるが、ヨウ素の乾燥や、濃硫酸を乾燥剤とするときには塗らないほうがよい。褐色ガラス製の遮光用のもの、あるいは蓋または本体からコック付き側管を出した減圧乾燥用のものもあるが、減圧使用時にはテープを巻き付けるなどして、破損(爆発的に破片が飛散する)に注意する。
[岩本振武]
内部に乾燥剤を入れ,物質の乾燥,貯蔵に使用する肉厚ガラス製の実験用器具.なかを真空にできるものもある.図のように,すり合わせのガラスぶたをもち,aに乾燥剤を入れる.乾燥剤は目的に応じ,シリカゲル,塩化カルシウム,濃硫酸,硝酸カルシウム,五酸化二リンなどが用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…加熱しても分解しないような場合には,加熱空気を通じる空気浴,100℃以下の加熱では湯浴,100℃付近での加熱で水蒸気浴,さらに高温で油浴などが用いられる。しかし最も普通には,上記のような操作を行ってからデシケーター(ガラス製乾燥器)中に乾燥剤を入れて保存する方法が多用される。デシケーターは常圧でもよいが,減圧して用いるとさらに効率がよい。…
※「デシケーター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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