デュポン(英語表記)Dupond, Patrick

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「デュポン」の解説

デュポン
Dupond, Patrick

[生]1959.3.14. パリ
[]2021.3.5. ソアソン
パトリック・デュポン。フランスの舞踊家。1980年代から1990年代にかけて,高度で華麗なテクニックと強烈な個性で世界的な名声を博した。1970年パリ・オペラ座バレエ学校に学ぶ。型破りな性格と常にトップを収めた成績から「アンファン・テリブル」enfant terrible(恐るべき子供)といわれ,1975年に史上最年少 16歳でパリ・オペラ座バレエ団に入団。1976年バルナ国際バレエ・コンクールで金賞と特別賞を受賞し,1980年に 21歳でエトワール(オペラ座の首席ダンサー)に昇進した。オペラ座では『白鳥の湖』『眠れる森の美女』など古典作品のほぼすべてで王子役を務めたほか,アルビン・エイリーやケネス・マクミランなどの振り付けによる現代作品にも挑戦した。しかし 1983年にルドルフ・ヌレエフがオペラ座の芸術監督に就任すると,しだいに出演機会が減り,世界各地のバレエ団で客演したり,幾人かのスターダンサーと組んでツアー公演を行なったりするなど国外公演に活路を求めた。1988年フランスのナンシー・バレエ団の芸術監督に就任。1990年ヌレエフの後任としてパリ・オペラ座バレエ団芸術監督に就任し,1995年まで務めた。おもな主演作品は,ジョン・ノイマイヤーの『バスラフ』,モーリス・ベジャールの『サロメ』など,古典から現代作品まで多数。

デュポン
DuPont de Nemours, Inc.

アメリカ合衆国の総合化学メーカー。革命の難を逃れてフランスから亡命したエルテール・イレネー・デュポンによって,1802年に設立された火薬工場がその前身で,創業 100年の間にアメリカ最大の火薬メーカーに成長したが,1912年の反トラスト判決によって 3社に分割され,1915年 E.I.du Pont de Nemours & Co.設立。その後多くの会社の買収,合併を経て総合化学メーカーに発展。以後合成ゴムのネオプレン,ナイロン,フッ素樹脂テフロン,硬質プラスチックのデルリン,弾性繊維ライクラ,合成皮革コルファム,新合成繊維ギアナなどを次々と開発して注目された。1981年に大手総合石油会社コノコを買収(のちに売却)。1992年インペリアル・ケミカル・インダストリーズ ICIからナイロン事業を取得すると引き換えにアクリル事業を提供。事業内容は食品,パーソナルケア製品,スポーツ用品,印刷・包装材,工業用フィルム,建築材料,工業用バイオテクノロジー,繊維,プラスチック,添加剤まで幅広い。2017年ダウ・ケミカル(→ダウ)との対等経営統合を完了,持株会社ダウ・デュポンが設立された。両社の事業は 3会社に再編され,2019年にデュポンの正式名称は DuPont de Nemours, Inc.に変更された。

デュポン
Dupont, Samuel Francis

[生]1803.9.27. ニュージャージー,バーゲンポイント
[没]1865.6.23. フィラデルフィア
アメリカの海軍軍人。 1817年海軍士官候補生となり,26年海軍中尉,42年海軍中佐となった。アメリカ=メキシコ戦争 (1846~48) では奇襲を試みて,カリフォルニア湾からメキシコ海軍を一掃し,その後 10年間はアメリカ海軍の艦艇蒸気化に貢献した。 55年海軍大佐となり,南北戦争では北軍の南大西洋封鎖艦隊司令官としてポートロイヤルを攻略し,61年に海軍少将となったが,63年のチャールストン攻略戦では撃退された。

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日本の企業がわかる事典2014-2015「デュポン」の解説

デュポン

正式社名「デュポン株式会社」。英文社名「Du Pont Kabushiki Kaisha」。化学工業。昭和36年(1961)「デュポン ファーイースト日本支社」設立。同58年(1983)「デュポン(ジャパン)株式会社」と統合し「デュポン ジャパン リミテッド」に改称。平成5年(1993)現在の社名に変更。本社は東京都千代田区永田町。総合化学メーカー。米国デュポン社の日本法人。デュポン製品の製造・輸出入・販売、研究・開発、技術サービスと合弁会社に関する業務を行う。

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精選版 日本国語大辞典「デュポン」の解説

デュポン

(Eleuthère Irénée Du Pont エルテール=イレネー━) フランス生まれの化学者、実業家。ラボアジェから火薬の製造を学んだが、フランス革命により一八〇一年アメリカに亡命。火薬製造業を始めてデュポン社を設立。(一七七一‐一八三四

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デジタル大辞泉「デュポン」の解説

デュ‐ポン(Du Pont de Nemours)

米国の財閥の一。フランス革命で米国に亡命したフランス人エルテール=イレーネ=デュポンをとする一族で、デラウェア州ウィルミントンに作った火薬工場で財産を築いた。のち化学工業に進出し、巨大企業に成長。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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