ノイマイヤー(読み)のいまいやー(その他表記)John Neumeier

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノイマイヤー」の意味・わかりやすい解説

ノイマイヤー
のいまいやー
John Neumeier
(1942― )

舞踊家振付家。アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。生地バレエを始め、マルケット大学で英文学演劇を学ぶ。そのころシカゴでモダン・ダンスのテクニックを身につけ、その後コペンハーゲンロンドンのロイヤル・バレエ・スクールでバレエを習得した。1963年、ロンドンで出会ったバレリーナのM・ハイデMarcia Haydée(1939― )に勧められて、ジョン・クランコ率いるシュトゥットガルト・バレエ団ソリストとして入団し、振付けも行う。69年からフランクフルト・バレエ団に移り、『ロメオとジュリエット』などの古典作品を新解釈で振付けし、注目される。73年ハンブルク・バレエ団の芸術監督に就任し、『幻想――白鳥の湖』(1976)、『眠れる森の美女』(1978)、『火の鳥』(1985)などの古典的物語バレエの新演出から、マーラーモーツァルト交響曲バッハの『マタイ受難曲』(1981)などの大曲のバレエ化、『真夏の夜の夢』(1977)、『椿姫(つばきひめ)』(1981)、『オデュッセイア』(1995)などの演劇的なバレエなど多岐にわたる作品を発表している。現代に生きるバレエのスペクタクルな総合性を文学や神話作用など、さまざまな角度から追求している。ヨーロッパ、アメリカ、カナダの主要なバレエ団に客演振付家として招かれ、日本のバレエ団にも『月に寄せる七つの俳句』(1989)を振付けている。ダンスマガジン賞(1983)、ドイツ舞踊賞、ディアギレフ賞(1988)、フランス芸術美術院シュバリエ任命(1991)、ハンブルク市民賞(1994)など多数受賞している。

[國吉和子]

『Allen Robertson & Donald Hutera『The Dance Handbook』(1988・Longman,U.K.)』『Horst Koegler『The Concise Oxford Dictionary of Ballet』(1991・Oxford University Press,U.K.)』『『John Neumeier und das Hamburger Ballett』(1997・Hamburg,Deutschland)』『『ダンスマガジン――ノイマイヤー、愛の研究』(1997・新書館)』『小倉重夫編『バレエ音楽百科』(1997・音楽之友社)』

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百科事典マイペディア 「ノイマイヤー」の意味・わかりやすい解説

ノイマイヤー

米国の舞踊家,振付家。ウィスコンシン州ミルウォーキーに生まれ,タップ・ダンスやバレエを学ぶ一方,英文学と演劇を専攻。ロンドンのローヤル・バレエ学校で学んだのち1963年シュツットガルト・バレエ団に入団。ソリストとして活躍するとともに,振付を開始。1969年フランクフルト・バレエ団の芸術監督,1973年ハンブルク・バレエ団の芸術監督に就任。古典の再解釈や創作バレエで現代きっての振付家となった。《白鳥の湖》(1976年),《マタイ受難曲》《椿姫》(1981年),マーラーの交響曲による連作などが知られ,小説や戯曲によるドラマティックな作品から抽象度の高い作品まで,幅広い表現をみせる。→クランコ
→関連項目春の祭典

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノイマイヤー」の意味・わかりやすい解説

ノイマイヤー
Neumeier, John

[生]1942.2.24. ミルウォーキー
アメリカの舞踊家,振付師。生地のマルケット大学で英文学と演劇学を専攻,またロンドンのロイヤル・バレエ学校に学ぶ。 1963年シュツットガルト・バレエ団に入団,ソリストとして踊るかたわら振付を始める。 69年フランクフルト・バレエ団の芸術監督に就任,『くるみ割り人形』などの作品に新しい解釈を与えた。 73年ハンブルク・バレエ団の芸術監督となり,以後マーラーの『第3交響曲』 (1975) ,『第4交響曲』 (77) やバッハの『マタイ受難曲』 (81) などの大作を次々に発表,同バレエ団の国際的評価を確立した。代表作はほかに『アーサー王伝説』『ペール・ギュント』など。教育者・啓蒙者としても活躍する。

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