目的に応じたデータを集めたもの、そのようなデータを収集、保守、管理し、利用者の要求に応じた部分を抽出するシステム、さらにそのような情報サービスを行う機関をさす。サービスの対象となるデータを集めたものは、データベースとよばれることが多く、これには株式、人材情報、特許、新聞、薬品、化合物など多様なものがある。
大量のデータのなかから利用者の要求に応じた部分を抽出(検索)するシステムは、情報検索システムともよばれる。データベース・マネジメント・システムと類似しているが、後者では企業などの組織におけるデータの共有利用が主目的であるため、データの形が定形的で利用者はデータの検索のほかに変更も行える。情報検索システムは、文章などの長文データや非定形データを対象としているが、一般に利用者はデータの変更はできない。
情報サービスに関してもデータベースサービスと称されることが多くなってきている。これには、市場からの要求が強く民間で集められるものと、知的財産権等にも関係して公的な機関が中心となるものとがある。日本では後者に対応するものとして、文部科学省所管の科学技術振興機構(JST)や国立情報学研究所(NII)がデータの収集やサービスを行っている。一つの組織であらゆるデータを集めることは不可能なので、他の組織からデータを購入してそれらをまとめて利用できるようにするのが普通である。文献情報サービスは文献の所在情報やアブストラクト(要旨)を結果として得るものが中心であったが、全文を検索できるものも実現されている。本をこのような形で電子的に管理するものとしてデジタル図書館(電子図書館)があり、将来の図書館の姿であると考えられているが、著作権問題を解決しなければ一般的な利用は困難といえる。インターネットには種々のデータがあり、そのなかから必要なデータを探すには検索エンジンといわれるソフトウェアが用いられる。
[上林弥彦]
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