デーリーミラー(読み)でーりーみらー(その他表記)The Daily Mirror

デジタル大辞泉 「デーリーミラー」の意味・読み・例文・類語

デーリー‐ミラー(Daily Mirror)

英国日刊新聞。1903年創刊。中立系だが、労働党支持の立場をとる大衆紙。発行部数は117万541部(2011年6月)。

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精選版 日本国語大辞典 「デーリーミラー」の意味・読み・例文・類語

デーリー‐ミラー

  1. ( Daily Mirror )
  2. [ 一 ] イギリス新聞。朝刊紙。一九〇三年、ノースクリフ卿が婦人向け新聞として創刊。一時は世界最大の発行部数を誇った。娯楽性が強く、時事問題政治問題を平易に解説することで定評がある。
  3. [ 二 ] アメリカ合衆国の新聞。一九二四年創刊。六三年に「デーリー‐ニューズ」に吸収された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デーリーミラー」の意味・わかりやすい解説

デーリー・ミラー
でーりーみらー
The Daily Mirror

イギリスの大衆日刊紙。1903年に、アルフレッド・ハームスワース(後のノースクリフ卿(きょう))が「淑女のための新聞」として、女性中心のスタッフのもとで創刊した。24ページに簡潔な一般ニュース、社交、流行、ゴシップ、音楽評等々を盛り込み、広告も豊富で、価格は1ペニー。しかし、当初は部数が伸びず、1904年に世界初の写真入り新聞に衣替えし、価格も半ペニーに値下げしてから伸張が著しかった。1910年には、棺(ひつぎ)に横たえられたエドワード7世の遺体を撮影し、初めての写真スクープをものにした。1914年、A・ハームスワースは同紙を弟のハロルドHarold Harmsworth(後のロザミア卿)に売却する。その後1950年には約460万部、1964年には約500万部を記録するなど大部数紙となった。センセーショナルなニュースで知られるが、第二次世界大戦中は、1934年から主筆となっていたハリー・ガイ・バーソロミューHarry Guy Bartholomew(1884―1962)の編集方針が受け入れられ、労働者大衆にもっとも読まれる新聞となった。1951年にハームスワース一族の一人であるセシル・キングCecil King(1901―1987)が経営を受け継いだが、1968年に労働党政権の首相ウィルソンの退陣を求める社説を載せたために批判を浴びて失脚した。その2年後にはリード・インターナショナルと合併したが、徐々に経営に陰りがみえはじめ、1984年には、チェコスロバキア生まれのメディア経営者ロバート・マクスウェルRobert Maxwell(1923―1991)に買収された。マクスウェルは1991年に自殺といわれる不審死を遂げ、低迷の続く『デーリー・ミラー』はライバルルパートマードック所有のタブロイド紙『サン』との部数競争によって紙面が低俗化した。1999年には新興の地方紙グループであるトリニティ(1985年創立)と合併し、トリニティ・ミラー・グループとなった。部数は2000年の227万部から2011年には119万部へ大幅に減少した。

[橋本 直]

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百科事典マイペディア 「デーリーミラー」の意味・わかりやすい解説

デーリー・ミラー

英国の代表的大衆紙。1903年ノースクリッフが1ペニーの婦人向け新聞として創刊(ペニー・ペーパー),後に半ペニーの写真入り日刊紙に転向。娯楽性に富み,時事・政治問題を平明に表現し,中立系だが論調は保守党に批判的。発行部数約234万部(1998)。
→関連項目タブロイド新聞

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デーリーミラー」の意味・わかりやすい解説

デーリー・ミラー
Daily Mirror

イギリスの大衆日刊紙。 1903年,のちのノースクリフ卿によって婦人向けの新聞として創刊。売上げ不振のため写真を使ったタブロイド版に切換えた。その後経営者は代ったが,常に人間的興味や個人的側面に視点をおいたセンセーショナルな切り口をモットーにした。同時に労働者階級の視点から政治・社会を論評することも忘れず,68年には当時の労働党内閣に対する辛辣な社説が社長失脚にまで発展した。現在は『スポーティング・ライフ』『サンデー・ミラー』『ザ・サンデー・ピープル』などを擁するミラー・グループの傘下にある。

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世界大百科事典(旧版)内のデーリーミラーの言及

【イギリス】より

…【水野 国利】
[マス・コミュニケーション]
 イギリスは,量・質ともにマス・メディア先進国であり,たとえば通信社ロイターは,大英帝国の伝統を保持して,現在も世界各地に巨大なネットワークをはりめぐらせている。日本との対比で特色をあげれば,まず第1に新聞が歴史的な階層構造を反映して,《タイムズ》《ガーディアン》などの〈高級紙(クオリティ・ペーパー)〉と,政治経済などの堅い話題,難しい議論にはできるだけ触れず,犯罪,スポーツ,性など娯楽的情報に力点をおく,《サン》《デーリー・ミラー》などの〈大衆紙popular paper∥mass paper〉とに截然と分かれていた点である。だが1970年代からは《デーリー・メール》,《デーリー・エキスプレス》の2紙がその中間を志向する中級紙として再出発し,現在は3層構造となっている。…

※「デーリーミラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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