トロピカル
とろぴかる
tropical
薄地の梳毛(そもう)織物で、組織は平織とし、クリアー仕上げをしたもの。パーム・ビーチpalm beachともいう。パーム・ビーチとは、アメリカの海水浴場の地名からとった商標名であるが、現在では世界的に通用する酷暑向けの梳毛織物として知られている。生地(きじ)は、さらっとした感触と通風性があり、やや張りが強い。種類としては、霜降りトロピカル、ヒーザー・トロピカルなどがあり、最近では、化合繊を使ったものも現れている。主として夏服地で、背広、スーツなどに用いられる。
[角山幸洋]
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トロピカル
〘名〙 (形動) (tropical)
①
熱帯の、熱帯風の、の意。〔万国新語大辞典(1935)〕
② 毛織物の一つ。薄地平織りのさらさらした手ざわりで、夏服用として用いられる。
※若いセールスマンの恋(1954)〈舟橋聖一〉八「トロピカルのジャンパーの袖の」
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トロピカル(tropical)
[名・形動]
1 熱帯また熱帯的であるさま。また、そのもの。「トロピカルなサウンド」「トロピカルフィッシュ」
2 薄手のさらっとした感触の平織り梳毛織物。通気性に富み、夏服地に用いる。
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トロピカル
梳毛(そもう)織物の一種。夏服用で,名称はトロピック(熱帯)に由来。組織は平織で通気性に富み薄地だが張りがある。多くは淡色の無地染で服地にする。
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トロピカル【tropical】
本来は〈熱帯地方の〉の意味であるが,イギリスからマレー半島,インド,中南米の熱帯地域に輸出されていた,細番手の梳毛糸(そもうし)を使った平織,クリアー仕上げの薄手でさらりとした風合いをもつ織物を指す。トロピカル・ウーステッド,トロピカル・コーティングとも呼ばれる。トップ染,糸染,反染の無地および柄物があり,代表的な夏服地として知られる。【山崎 宗城】
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