コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ドルバック Holbach, Paul Henri Thiry, baron d'

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ドルバック
Holbach, Paul Henri Thiry, baron d'

[生]1723.12. エーデスハイム
[没]1789.6.21. パリ
ドイツ生れのフランスの哲学者。オルバックともいう。精神と肉体の同一性を説く徹底的な唯物論者。百科全書派の一人で,『百科全書』では化学鉱物学の項目を担当。そのサロンにはディドロ,F.M.グリム,ビュフォン,エルベシウスらが集った。『暴露されたキリスト教』 Le Christianisme dévoilé (1761) などで,宗教を理性と自然に反するものとして激しく攻撃,ディドロらが協力した主著自然の体系』 Système de la nature (1770) は,啓蒙思想の諸傾向 (ラ・メトリの唯物論コンディヤックの感覚論,ディドロの決定論,エルベシウスの功利主義など) を整理,総合しようとした論文。そのほか社会道徳,社会哲学を説いた著書がある。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ドルバック(Paul Henri Dietrich d'Holbach)

[1723~1789]フランス哲学者。ドイツに生まれ、フランスに帰化。百科全書の事業に参加。著「自然の体系」「キリスト教暴露」など。ホルバハ

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

ドルバック

ドイツに生まれフランスに帰化した啓蒙期の哲学者。ディドロ,ルソーらと交わり,《百科全書》に多くを寄稿した。主著《自然の体系》(1760年)は徹底した唯物論,無神論の書。
→関連項目アンシクロペディスト

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ドルバック【Paul Henri Thiry,baron d’Holbach】

1723‐89
ドイツに生まれ,フランスに帰化した哲学者。ライデン大学で自然科学を学び,パリに戻ると,まだ無名の知識人ディドロ,グリム,ルソーたちと交友。ディドロ,ダランベール編集の《百科全書》には,化学,地質学など多数の項目を寄稿した。彼のパリの屋敷と近郊の別荘は,百科全書派の集会所であった。1760年に死亡しているミラボーの名で出版した主著《自然の体系》(1770)は,第1巻で唯物論的自然・人間論を,第1巻末尾と第2巻で徹底した無神論の主張を展開している。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ドルバック【Paul Henri Dietrich d'Holbach】

1723~1789) フランスの哲学者。百科全書派の一人(化学・鉱物の項を執筆)。主著「自然の体系」で無神論・唯物論を弁じた。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ドルバック
どるばっく
Baron d'Holbach, Paul Henri Dietrich
(1723―1789)

フランス啓蒙(けいもう)期の唯物論者、無神論者。ドイツ南西部(現、ラインラント・プファルツ州)のエーデスハイム生まれ。ドイツ人貴族であったが、若いころからパリで生活し、ディドロとの交遊を通して『百科全書』に鉱物学、化学、博物学などの項目を執筆した。さらに1759年ダランベールが『百科全書』から手を引いてからは、自然科学関係の項目の編集に協力した。また彼の家で定期的に開催されたサロンには、ルソーやコンディヤック、ラ・メトリら当時の著名な啓蒙思想家の多くが姿を現したが、主著『自然の体系』(1770)はこのサロンでの議論を集大成したものと思われる。
 ドルバックはディドロと並んでひときわ徹底した唯物論者であったが、とくに「宗教は人間の幸福と進歩の敵である」と断言し、『キリスト教暴露』(1756)以来の全著作を通して、信仰と迷信とに激しい批判を加えた。しかし政治思想に関しては、『良識論』(1772)、『社会の体系』(1773)、『普遍道徳論』(1778)にみられるように、社会悪の原因を個人の無知に求め、政治問題の解決の手段としての革命を認めなかった。[坂井昭宏]
『野沢協訳『キリスト教暴露』(1968・現代思潮社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内のドルバックの言及

【啓蒙思想】より


[認識論・知識論]
 人間の理性が啓示や宗教的権威から独立にもちうる力の一面を身をもって示したガリレイ,ニュートンの名に象徴される近代自然科学の成立が,理性の自律を説く啓蒙思想にとってはかり知れないうしろだてとなった。啓蒙の認識論のスタンダードを定めたといってもよいロックの経験論から,さらには自然科学的説明方式の力により全面的に依拠したドルバックらの唯物論,人間機械論の哲学にいたるまで,この動向をぬきにしては考えられない。ロックの経験論は,イギリスでは,ヒュームの懐疑論にまで徹底され,またフランスに移植されてコンディヤックの感覚論を生む。…

【進化論】より

…18世紀的唯物論がこれに加わる。モーペルテュイ,ビュフォン,ディドロ,ドルバックらが主要な進化思想家としてあげられる。モーペルテュイとビュフォンが,ボルテールとならんでフランスへのニュートン力学の紹介者であることは,この力学がフランス思想に自然の合則性の観念を直接培って,進化観念の土台を準備したことを示している。…

※「ドルバック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

ドルバックの関連キーワード人間機械論(ラ・メトリの著書)サウスオーストラリア州ボナパルト・タルカスムゲン・キャリバーオベロン・ガゼットバリアブルマシンリック ウォレンアイアン・ノブフランス唯物論機械論的唯物論機械的唯物論アイアンノブデピネー夫人エア半島機械論メリエデザミ執筆ブタ

今日のキーワード

アウフヘーベン

ヘーゲル弁証法の基本概念の一。あるものを否定しつつも、より高次の統一の段階で生かし保存すること。止揚。揚棄。→アン‐ウント‐フュール‐ジッヒ →弁証法...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android