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ナバラ王国 ナバラおうこくKingdom of Navarra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ナバラ王国
ナバラおうこく
Kingdom of Navarra

スペインの北東部,ピレネー山脈の西寄りに南北にわたって存在した中世国家。フランス語ではナバール王国。 12世紀後半まではパンプロナ王国として知られていた。9世紀初頭,フランク王カルル1世 (大帝) が設置したエブロ川北方辺境領の一つナバラ辺境領をもとに,サンチョ1世 (サンチョ・ガルセス1世) の頃本格的な王国として現れた。 11世紀サンチョ3世 (大王) のもとに全盛期を迎え,カタルニャ,カスティリアをも征服した。大王の死後,王国からカスティリア,アラゴンが独立して王国を築いた。 1076年アラゴンのサンチョ5世 (サンチョ・ラミレス) に併合されたが,1134年ガルシア5世は独立を回復した。その後フランス王家の血統をひく王に統治され,シャルル3世 (在位 1387~1425) のとき最も繁栄を誇った。 1512年王国のスペイン側はフェルナンド2世 (カトリック王) に占領されたが,フランス側の王国はアンリ4世がフランス王となる 89年まで続いた。

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百科事典マイペディアの解説

ナバラ王国【ナバラおうこく】

イベリア半島北部,スペインとフランスにまたがる中世の小王国。905年カール1世のスペイン辺境伯領の一部ナバラNavarraを基盤に成立。国土回復戦争レコンキスタ)の一基地となり,サンチョ・ガルセス3世時代が盛期。
→関連項目パンプロナ

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世界大百科事典 第2版の解説

ナバラおうこく【ナバラ王国】

ピレネー山脈の南西部にあった中世イベリア半島キリスト教国で,その領土は現在のスペインとフランスとにまたがっていた。後にナバラ王国Reino de Navarraを形成する地域は,イベリア半島の中でローマ文化の浸透が最も弱かった地方の一つで,パンプロナが唯一ローマ的な都市であった。したがって,そのキリスト教化も遅く,異教が完全に姿を消したのは12世紀になってからであった。 8世紀初頭にイベリア半島がイスラム教徒に征服されると,パンプロナ一帯は南のアル・アンダルスと北のフランク王国双方の係争地となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ナバラ王国
なばらおうこく
Reino de Navarraスペイン語

ピレネー山脈の西部、これをまたぐ形で成立した中世イベリア半島の王国。フランス語名はナバルNavarre。首都はパンプロナ、住民はバスク(バスコ)人が主流を占める。領土はフランス側よりもスペイン側のほうが大きかった。
 ナバラ王国の起源については不明な部分が多いが、イスラム教徒の征服がもたらした流動的な事態が起因したとみられる。すなわち、同地域の中で唯一の都市であったパンプロナをめぐって、イスラム教徒、フランク王国、先住民の三勢力が攻防を繰り返す過程で、10世紀初めに王国が誕生した。ナバラは、11世紀前半にはキリスト教スペイン諸国のなかで覇権を握ったが、同世紀後半以降は新興のカスティーリャとアラゴンの両王国に南進を阻まれて発展の道を失った。1234年から約200年間、フランスの政治圏に大きく傾いたが、15世紀後半にはふたたびスペイン側との結び付きを強めた。その後、再びフランス寄りを強めるナバラを自国の安全保障上の理由からアラゴン王フェルナンド2世(カスティーリャ王としてはフェルナンド5世)は外交と軍事の両面からナバラの併合を企て、1512年にこれを軍事征服した。そして3年後にナバラはそれまでの法と体制を維持したままカスティーリャ王権下に編入された。[小林一宏]

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世界大百科事典内のナバラ王国の言及

【バスク】より

…しかし,同時にここはカタルニャと並ぶスペイン有数の工業地帯で金融業,商業も栄え,全国の国民所得でも上位を占めている。その中でナバラ県は旧ナバラ王国の領域と合致し,他の3県とは地方自治(1979年10月承認)において同一歩調をとっていない(ナバラ)。バスクという統一的な呼称はローマ人による前1世紀のウァスコニアVasconia(ラテン語)に始まり,バスク人自らはエウスカルドゥナクEuskaldunak(エウスカラEuskara(〈バスク語〉の意)を話す人々)と呼んでいた。…

※「ナバラ王国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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