同君連合(読み)ドウクンレンゴウ

デジタル大辞泉 「同君連合」の意味・読み・例文・類語

どうくん‐れんごう〔‐レンガフ〕【同君連合】

二つ以上の国家が同一の君主もとに連合すること。身上連合(人的連合)と物上連合(物的連合)がある。君合国

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精選版 日本国語大辞典 「同君連合」の意味・読み・例文・類語

どうくん‐れんごう‥レンガフ【同君連合】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] personal union の訳語 ) 二つ以上の国家が、王位継承法などの偶然の事情から、同一の君主を有する形態それぞれの国家は独立主権をもち、連合そのものは国際法上の人格を認められない。一七一四年~一八三七年のイギリスハノーバー、一八八五~一九〇八年のベルギーコンゴ自由国など。身上連合。

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百科事典マイペディア 「同君連合」の意味・わかりやすい解説

同君連合【どうくんれんごう】

同一の君主の下における名目的な国家結合。連合自体は外交能力をもたない身上連合と,実質的な結合体として連合自体が外交能力をもつ物上連合がある。前者の例として英国オランダ(1714年―1837年のハノーファー朝),後者の例としてオーストリア・ハンガリー二重帝国(1867年―1918年)がある。
→関連項目シュレスウィヒ・ホルシュタイン問題スウェーデンノルウェーホーコン[7世]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「同君連合」の意味・わかりやすい解説

同君連合
どうくんれんごう

君主制をとる国家間の結合。人的同君連合personal unionと物的同君連合real unionとの2種類に分けられる。前者は、王位継承などの関係でたまたま複数の国家が同一の君主をもつ結果になったもので、それぞれの国家は独立国家として存在し続ける。スチュアート家の君主のもとでのイングランドスコットランド(1603~1707)、ハノーバー家のもとでのイギリスとハノーバー(1707~1837)、オラニエ家のもとでのオランダとルクセンブルク(1815~1908)などがある。この同君連合が名目的なものであるのに反し、物的同君連合は、複数の国家が同一人物を共通の君主としてもつことに同意し結合したもので、それぞれの国家は内部的には独立しながらも、国際法上は一つの国家として外交、軍事などに対処する。スウェーデンとノルウェー(1814~1905)、オーストリアとハンガリー(1867~1918)などがこれに属する。なおイギリス連邦は通常、同君連合とは考えない。

[今井 宏]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「同君連合」の解説

同君連合(どうくんれんごう)
personal union/real union

同一君主のもとでの国家の結合関係。王位継承により偶然生じたものと,複数国家が合意のうえで同一人物を君主にするものとがある。前者の例としては1603~1707年のステュアート家によるイングランドとスコットランド,および1714~1837年までのイギリスとハノーヴァーの関係がある。また後者には14世紀後半以降のデンマーク,スウェーデン,ノルウェー間の関係がある。デンマークとノルウェーの関係は1814年まで続き,スウェーデンとノルウェーの同君連合は1905年まで継続した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「同君連合」の意味・わかりやすい解説

同君連合
どうくんれんごう

君主国家間における国家結合をいう。人的同君連合 personal unionと物的同君連合 real unionとに分類される。前者は,複数の君主国が同一人を君主とした場合であって,それぞれ独立国家として存在する。たとえば,1714年から 1837年までのイギリスとハノーバー,14年から 1905年までのスウェーデンとノルウェー。後者は,複数の君主国が同一人を共通の君主とすることに合意し,内部的には独立しているが,国際法上,一つの国家として機能する場合をいう。

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旺文社世界史事典 三訂版 「同君連合」の解説

同君連合
どうくんれんごう
personal union

2つの国が同じ君主の下に連合をつくること
1603年ジェームズ1世治下のイングランドとスコットランド(スコットランド王としてはジェームズ6世),1714年ジョージ1世治下のイングランドとハノーヴァー選帝侯領,またデンマーク王家を君主とするカルマル同盟などがある。偶然に同一人物を君主とした身上連合と,合意の上に同一人物を君主とする物上連合に細分される。

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世界大百科事典(旧版)内の同君連合の言及

【国家】より

…したがって,実際にはコモンウェルスのように,どのタイプにも該当しない独特な国家結合もありうる。通常,国家結合として示されるのは,同君連合,国家連合,連邦制保護国・被保護国宗主国・従属国である。同君連合は君主国について認められ,複数国家が偶然に同一人物を君主とする身上連合personal union(例,1714‐1837年のイギリスとハノーバー朝)と,複数国家が合意して同一人物を君主とする物上連合real union(例,1814‐1905年のスウェーデンとノルウェー)とに細分される。…

【スチュアート朝】より

…夫のフランソワ2世の病死により帰国したメアリーは,新旧両教派の貴族の抗争にまきこまれ,みずからの不品行もあって退位し,67年息子のジェームズ6世が即位した。しかしメアリーの生涯のライバルであったイングランド・チューダー朝のエリザベス1世が未婚で王位継承者をもたなかったため,1603年ジェームズが,チューダー朝の開祖ヘンリー7世の玄孫にあたる血縁関係からイングランドに迎えられ,ジェームズ1世として即位し,両王国は同君連合の関係に入った。これがイングランドにおけるスチュアート朝の始まりである。…

※「同君連合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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