ネズバル(その他表記)Vítězslav Nezval

改訂新版 世界大百科事典 「ネズバル」の意味・わかりやすい解説

ネズバル
Vítězslav Nezval
生没年:1900-58

20世紀前半を代表するチェコ詩人劇作家でも,散文作家でもあり,ランボーをはじめとするフランス文学の訳者としても知られている。解き放されたファンタジーと詩的画像の連想を重視する〈ポエティズム〉と呼ぶチェコ文芸史上の運動の代表者で,シュルレアリスムのチェコでの推進者の一人。この分野での詩集に《パントマイム》(1924),《ガラスの袖なし外套》(1932)などがある。ほかに,戯曲《キオスクの恋人》(1932),《マノン・レスコー》(1940),詩集《エジソン》(1928),《さよならとハンカチ》(1934),回想録《自分の生涯から》(1959)などが有名である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネズバル」の意味・わかりやすい解説

ネズバル
ねずばる
Vítězslav Nezval
(1900―1958)

チェコスロバキアの詩人。プラハで哲学を学んだが、早くからアバンギャルドの文学活動に参加し、シュルレアリストとして知られた。一方、共産党員として反ファシズム運動関与、1930年代末期にシュルレアリスムと別れて、コミュニスト詩人としての道を歩み、ゲシュタポ(秘密国家警察)に捕らえられた経験もある。作品は数が多く、『パントマイム』(1924)、『エジソン』(1928)、『平和の歌』(1950)、『ふるさとから』(1951)などの豊富な感受性と想像力を示す詩集、『今日もなおアトランティスに日は沈む』(1956)などの戯曲、未完の回想記や童話のほか、小説、エッセイ、翻訳劇の脚色など多方面にわたっている。

飯島 周]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネズバル」の意味・わかりやすい解説

ネズバル
Nezval, Vítězslav

[生]1900.5.26. ビスコウプカウトシェビーチェ
[没]1958.4.6. プラハ
チェコの詩人。チェコのシュルレアリスムの代表者の一人。詩集『エジソン』 Edison (1928) ,『さよならとハンカチ』 Sbohem a šáteček (34) などの作品は彼が主張したポエティズムの傾向をもっている。第2次世界大戦後は社会主義的傾向を示した。詩集のほか,前衛芸術理論や,翻訳詩劇『マノン・レスコー』 Manon Lescaut (40) ,未完の回想記『私の生涯から』Z mého života (59) などがある。

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百科事典マイペディア 「ネズバル」の意味・わかりやすい解説

ネズバル

チェコの詩人。チェコのシュルレアリスムを代表。詩集《エジソン》《さよならとハンカチ》《マノン・レスコー》など。

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世界大百科事典(旧版)内のネズバルの言及

【チェコスロバキア】より

…1918年から92年まで続いた中欧の共和国。国名通称はチェコ語,スロバキア語ともČeskoslovensko。1920‐38年,1945‐60年の正式国名は〈チェコスロバキア共和国Českoslovká republika〉。1948年以後は社会主義体制をとり,60年からの正式国名は〈チェコスロバキア社会主義共和国Československá Socialistická republika〉。1969年よりチェコ社会主義共和国とスロバキア社会主義共和国の連邦制に移行したが,89年の〈東欧革命〉の進行過程で両共和国で連邦制の見直しが図られ,正式国名を〈チェコおよびスロバキア連邦共和国Česká a Slovenská Federativní Republika〉に変更した。…

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