フロントンfrontonまたはフロント・テニスともいわれる賭(か)け事の一種。ハイアライとはバスク語。室内にスペイン特産の堅い石または大理石で壁をつくり、ボール(コルクを木綿糸で巻き皮革で包んだもの)を壁に、交互に打ちつけて争い、その競技の勝敗を対象として賭ける。スペイン北部で古くから行われていた類似の競技がしだいに改良されたもので、スペインのほかフランス、イタリア、アメリカ、フィリピンその他ラテンアメリカ系の諸国で行われている。競技は、男子はバスケットを、女子はラケットを使用し、4人の選手が赤組と青組とに分かれて争うものと、6人または8人の選手が順次に2人ずつ争って順位を決めるものとがある。観客は、前者は勝つ組を、後者は1位と2位になる選手を当てるように金銭を賭ける。先攻者がまずフロンティスfrontisという正面の壁にボールを打ちつけ、跳ね返ってくるのを相手の選手がテニスのように受けて、交互に壁に打ちつける。受けられなかったときは相手に1点をとられ、得点が早く25または30点になったほうが勝ちとなる。この賭け事の特色は、競技の途中でプレミアムをつけて、改めて賭けることができることである。
[倉茂貞助]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…チェイスをめぐる攻防が終わると,新たなチェイスを作り出すゲームが始まる。 混成競技で知名度の高い競技はハイ・アライjai alaiであろう。1887年セラフィン・バローハ(小説家ピオ・バローハの叔父)がサン・セバスティアンのアテゴリエタ通りに建設された競技場につけたバスク語(陽気な祭りの意)の名称である。…
※「ハイアライ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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