ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バインケルスフーク」の意味・わかりやすい解説
バインケルスフーク
Bynkershoek, Cornelis van
[没]1743.4.16. ハーグ
オランダの法律家。ライデン大学卒業後,弁護士,裁判官として活躍,1721年ホラント・ゼーラント・西フリージア最高裁判所長官となった。 A.ゲンチリスや R.ズーチの志向した実証主義を発展させ,条約および国家慣行に現れた慣習を国際法の最も重要な法源として国際法を説き,G.F.マルテンス,J.モーザーとともに 18世紀における国際法の実定法学派の巨頭とみなされる。彼は国際法に関する体系的な書物は書かなかったが,具体的問題,特に海洋主権,大使の地位,戦時の私権,中立,戦時禁制品,封鎖などに関するきわめて精密な研究を行なった。また領海の範囲を「陸地の権力は兵器の尽きるところに尽きる」と説いて,領海3カイリ説の先駆となった。主著『海洋所有権論』 De dominio maris dissertatio (1702) ,『公法の諸問題,全2巻』 Quaestionum juris publici,libri duo (37) 。
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