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バリアフリー ばりあふりー

11件 の用語解説(バリアフリーの意味・用語解説を検索)

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

バリアフリー

原義は「障害・障壁のない」という意味。日常生活や社会生活における物理的、心理的な障害や、情報に関わる障壁などを取り除いていくことをいう。高齢者や障害者にとって安全かつ、住みよい社会を作るために、近年注目されている概念。社会の高齢化にともない、段差のない住宅・道路の敷設や、点字ブロック補聴器などの普及、シンプルな機能で使いやすい家電なども多く販売され、バリアフリー関連商品は増加傾向にある。バリアフリーは誰もが使えて使用者を選ばない「ユニバーサルデザイン」の中に含まれる概念と言える。

出典|ASCII.jpデジタル用語辞典
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知恵蔵の解説

バリアフリー

心身の障害などでハンディキャップのある人にとって、障壁(バリア)となる物理的(建物構造・交通機関など)、制度的(障害を欠格条項とし、資格取得に制限があるなど)、文化・情報面(点字・手話・音声案内・字幕・分かりやすい表示の不備)、意識(偏見や先入観)が取り除かれた状態。その取り組みがバリアフリー化。スロープを設置するといった物理的整備が注目されがちだが、社会的認識や価値観のバリアフリー化もノーマライゼーションの達成に不可欠である。何をバリアと感じるかは個別性が高いため、当事者の意向とニーズに基づいた検討が必要である。

(中谷茂一 聖学院大学助教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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デジタル大辞泉の解説

バリア‐フリー(barrier-free)

障害者や高齢者の生活に不便な障害を取り除こうという考え方。道や床の段差をなくしたり、階段のかわりにゆるやかな坂道を作ったり、電卓や電話のボタンなどに触ればわかる印をつけたりするのがその例。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

バリアフリー

障害のある人が社会生活をしていく上での障壁(バリア)を除去するという意味で,1974年国連障害者生活環境専門家会議が《バリアフリー・デザイン》という報告書を出したころからこの言葉が使用されるようになった。
→関連項目交通バリアフリー法障害者プランシルバー産業ノーマライゼーションハートビル法バリアフリー新法ユニバーサル・デザイン

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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リフォーム用語集の解説

バリアフリー

バリア(障害)がなく、子供でも高齢者でも誰でも利用できるという意味。

出典|リフォーム ホームプロ
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不動産用語辞典の解説

バリアフリー

障害者や高齢者、子供が生活するするうえでの障壁(barrier)を取り除くという考え方を「バリアフリー」といいます。
具体的には、建物内の段差をできるだけなくしたり、廊下の幅を広げることなどが挙げられます。
これまで、主に交通機関や住戸内で生活する際のバリアフリー化が進められてきました。
現在では、バリアフリーに加え、健常者にとっても利用しやすいユニバーサルデザインの考え方も導入されています。

出典|不動産売買サイト【住友不動産販売】
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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

バリアフリー

障害物(バリア)を取り除く(フリー)という意味。 住宅内や地域社会において、障害者や高齢者にとっての障害を取り除き、暮らしやすい環境を実現していこうという考え方。 また、バリアフリーをさらに推し進め、障害者、高齢者、健常者の別なく、誰にとっても利用しやすいように、製品や建物、空間をデザインしようという考え方をユニバーサルデザインという。

出典|ナビゲート
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大辞林 第三版の解説

バリアフリー【barrier free】

〔障壁のない意〕
高齢者や障害者が社会生活を送るうえで、障壁となるものを取り除くこと。当初は、道路や建物の段差や仕切りをなくすことをいったが、現在では、社会制度、人々の意識、情報の提供などに生じるさまざまな障壁をふくめて、それらを取り除くことをいう。

出典|三省堂
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家とインテリアの用語がわかる辞典の解説

バリアフリー【barrier free】

建築物などを身体障害者や高齢者なども不都合なく利用できるようにすること。建物内の段差をなくす、出入り口や廊下の幅を広げるなど、誰でも安全で使いやすく暮らせるための工夫をいう。◇「バリア」は「障壁」の意。

出典|講談社
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バリアフリー
barrier free

高齢者や障害者が支障なく自立した日常生活・社会生活を送れるように,物理的・心理的・社会制度・情報の障壁(バリア)をすべて除去する(フリー) こと,あるいはそれらが実現した生活環境。1974年,国連障害者生活環境専門会議の報告書『バリアフリーデザイン』Barrier Free Designで建築用語として用いられて以来,広く使われるようになった。日本では 1970年代半ばから福祉的な取り組みとして進められ,段差をなくした道路やエレベータつきの駅ホーム車椅子でも使いやすい公共施設や乗り物,風呂や廊下に手すりをつけたり戸口を広くするなどの工夫をした住宅などが普及するようになった。また 1993年策定の「障害者対策に関する新長期計画」にはバリアフリー社会の構築を目指すことが明記され,2000年,バリアフリーに関する関係閣僚会議が設置された。2006年,交通バリアフリー法ハートビル法を統合・拡充した「高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」が施行。近年では,障害者政策にとどまらず,すべての国民が安全・快適に過ごせる社会構築のための基本的な理念となっている。(→ノーマライゼーションユニバーサルデザイン

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バリアフリー
ばりあふりー
barrier free

障害をもつ人々が、生活環境(住宅、地域施設、交通施設)において、普通に生活することを阻んでいる障壁(バリア)をなくすこと。1974年、国連専門家会議報告書『バリアフリーデザイン』が出版された当初から、物理的バリアフリーのみならず、心理的・社会的バリアフリーの重要性は指摘されていた。近年、バリアフリーのみならず、安全性や利便性等にも十分配慮し、障害者、高齢者、子供、妊婦、乳母車を押す人々などすべての人々に使いやすい設計として、ユニバーサル・デザイン(普遍的デザイン)の考え方も重視されている。[野村みどり]

沿革

アメリカでは、全米建築基準協会が1961年に世界でもっとも早く、「身体障害者にアクセスしやすく使用しやすい建築・施設設備に関するアメリカ基準仕様書」を作成した。その後、1968年、連邦政府の補助を受けた建築は、身体障害者へのアクセシビリティ(利用する権利および手段)を保障しなければならないことを定めた「建築障壁除去法」が制定された。これを受けて、各州は、先のアメリカ基準仕様書の内容に従った実施規則を整備していく。1973年のリハビリテーション法第504条では、連邦政府の補助を受けたすべてのプログラムにおいて、身体障害者は差別を受けてはならず、必要なサービスは提供されなければならないことが規定された。1990年に施行されたADA(Americans with Disabilities Act、障害をもつアメリカ人法)では、アメリカ合衆国の心身障害者数は、総人口2億4500万人の17.6%にあたる4300万人で、高齢化によって、今後よりいっそう、その人数は増えることを前提とし、障害者への差別を撤廃し、すべての人に保障されている基本的権利を障害者にも保障するための規制を定めた。規制対象は、連邦政府の補助の有無にかかわらず、雇用、交通機関、公共施設、一般営業施設における差別の禁止、利用上のバリアフリー、視覚・聴覚障害者のための通信システムの供与など広範にわたる。
 日本では、厚生省(現厚生労働省)の「身体障害者福祉モデル都市事業」(1973~75年度)、「障害者福祉都市事業」(1979~85年度)、「障害者の住みよい街づくり事業」(1986~89年度)として、自治体を単位に、障害者の生活環境、住宅の改善、障害者福祉サービスの体系的実施、心身障害児の早期療育および市民啓発の4事業推進が目ざされてきた。1990年度(平成2)以降は、障害者のみならず、高齢者もその対象に据え、「住みよい福祉のまちづくり事業」、94年度からは、「障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業」が実施されている。建設省(現国土交通省)では、「福祉のまちづくりモデル事業」(1991~93年度)、1994年度「生活福祉空間づくり大綱」と「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(ハートビル法)の制定、「人にやさしいまちづくり事業」(1994年度~)などが実施されている。また運輸省(現国土交通省)は2000年に、「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(交通バリアフリー法)を制定した。さらに、2006年にはハートビル法と交通バリアフリー法を統合したバリアフリー新法(「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」)が成立、施行された。なお、1990年代、大阪府、兵庫県、神奈川県などの地方公共団体は、福祉のまちづくり条例を制定し、2008年現在、47都道府県すべてが制定済みである。[野村みどり]

四つのバリア

今日、障害者を取り巻く社会環境には、四つのバリア、すなわち、
(1)機械・建築・都市環境における物理的バリア
(2)資格制限、大学など入試制度、就職、任用試験などにおける制度的バリア
(3)点字や手話サービスなど情報保障の欠如による文化・情報面のバリア
(4)無理解、偏見、差別などの意識上のバリア
があるといわれている。バリアフリーを考えるときには、バリアの明確化が不可欠となるが、バリアのとらえ方は社会の成熟度と大きくかかわる。たとえば、欧米先進諸国では、学校施設の物理的バリアフリー問題はすでに解決済みで、特別な教育的ニーズをもつ児童生徒のために普通学級における教育内容・方法、教材のバリアフリー化が課題である。しかし、日本では、学校は特定多数が使用するととらえられ、ハートビル法の対象である不特定多数が使用する建物には含まれないなど、学校施設については物理的バリアフリー化以前の段階にある。[野村みどり]

バリアフリーとデザイン

1980年、世界保健機関(WHO)が発表した国際障害分類案1にみるように、障害を3レベル、すなわち、臓器レベルのインペアメント(精神または身体的な損傷)、人間レベルのディスアビリティ(能力制限)、社会レベルのハンディキャップ(社会的不利)でとらえてみると、対策を明確化しやすい。ハンディキャップは、インペアメントやディスアビリティをもつ個人と環境との相互作用によって生じるものであり、障害者にハンディキャップをもたらさないことがバリアフリーといえる。
 その後1997年に改正作業を開始したWHO国際障害分類案2では、障害の3レベルはインペアメント、アクティビティ(動作制限)、パーティシペーション(社会参加)とされ、よりいっそう社会環境のバリアフリー化の重要性が強調された分類となっている。
 ここで、インペアメントを視覚、聴覚、言語、皮膚感覚、体温調節、下肢、上肢、精神に、アクティビティを情報受容制限、移動制限、動作巧緻(こうち)制限、温熱環境適応制限に大別し、それらとバリアフリーデザインとの関係を整理する。とくに、視覚と聴覚インペアメントによる情報受容制限、下肢インペアメントによる移動制限、上肢インペアメントによる動作巧緻制限、皮膚感覚や体温調節のインペアメントによる温熱環境適応制限をそれぞれ軽減し、パーティシペーションを促すためには、広い空間確保、段差解消、各部仕上げ、放送や字幕など情報設備、音・光・熱環境設備、経路探索しやすい設計、サイン、手すり、レバー式ドアノブや大型スイッチなどのきめ細かな密度の高い設計が必要といえる。
 情報保障バリアフリー対策をみると、視覚障害者は全盲者と弱視者に、聴覚障害者は聾(ろう)者と難聴者に分けて講じることが有効である。基本的には、だれもがわかりやすい、きめ細かな環境整備を推進し、あわせて個別のニーズに応じた福祉用具の活用が重要となる。しかし、情報保障対策に関する総合的研究の歴史は浅く、実態としては未熟な内容が目だつ。たとえば、日本において普及してきた点字床材は、車いす使用者や高齢者など下肢にインペアメントをもつ人々のバリアになること、退色、磨耗、汚れやすく清掃しにくいことなど材料としての耐久性に欠けること、また、音響信号や誘導鈴は周辺住民に騒音公害をもたらすなどである。対症療法的対策を改め、今後は、
(1)家庭訪問型歩行訓練の実施
(2)ガイドヘルパーの養成と柔軟な人的サービス提供
(3)晴眼者への啓発(視覚障害者に対する誘導・援助方法、視覚障害者の安全確保に不可欠な公共空間利用マナーの徹底等)
(4)わかりやすく安全な歩行環境の整備
(5)情報保障対策へのマルチメディア技術の応用
などに、総合的体系的に取り組むべきである。[野村みどり]

日本における問題点

ハンディキャップは、社会の問題であるが、日本においては、個人的問題と考えられがちで、社会的支援システム整備につながりにくい。たとえば、イギリスでは、ハウスアダプテーション(住宅改造)は、身体障害者が、身体的不自由のために、住居からこうむるハンディキャップを軽減するための治療的かかわりととらえられている。たとえば、高齢単独生活者の孤立と不安、福祉入所施設における自律的でない生活、病院におけるストレス・不経済な人工透析治療などがハンディキャップととらえられて、転居を含むハウスアダプテーションが公的支援として推進されている。スウェーデンでは、病院環境は子供にとってハンディキャップをもたらし、その軽減のために、プレイ・セラピー(幼稚園や学童保育と同様の活動)の提供が病院に義務づけられている。遊びが病気の子供の発達を促し癒すものとして、またその結果、入院期間を短縮でき、トラウマ(精神的外傷)も予防でき、医療費削減効果をもたらすものとして重視されているからである。
 今後、個々の障害者とその家族支援に対する公的な責任の所在を明らかにしたうえで、医療・保健・福祉・教育・建築等、多分野が連携して、住居、学校、または、職場等におけるサポートシステムを整備し、バリアとバリアフリー対策の明確化を図り、トータルコストの有効活用の視点から、従来の部分的、点的に実施されてきたバリアフリー対策を抜本的に見直すことが求められているといえよう。[野村みどり]
『総理府編『障害者白書』(1995・大蔵省印刷局) ▽野村みどり著『バリアフリー』(1995・慶応義塾大学出版会) ▽野村みどり編『プレイセラピー こどもの病院&教育環境』(1998・建築技術)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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