パトロクロス(英語表記)Patroklos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パトロクロス
Patroklos

ギリシア神話の英雄。メノイティオスの息子で,ロクリスで生れたが,殺人の罪を犯してテッサリアに亡命し,ペレウス王の宮廷に身を寄せ,王子のアキレウスの無二の親友となった。トロイ戦争に,アキレウスとともにミュルミドン人を率いて参戦し,ギリシア方のために多くの手柄を立てたが,アガメムノンに侮辱を受けて怒ったアキレウスが戦闘から手を引いた間に,苦境に陥った味方を救おうとして,アキレウスの武具を借りて出陣し,敵を撃退したが,深追いしすぎてヘクトルに打取られ,借りた武具をはぎ取られて,親友を悲嘆のどん底に陥れたという。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パトロクロス
ぱとろくろす
Patroklos

ギリシア神話の英雄。少年のときからアキレウスとともに育てられ、その無二の親友となってともにトロヤ戦争に参加する。アキレウスがアガメムノンと不和になり、戦陣から退くと、彼もまた行動をともにし、陣営に閉じこもってしまう。しかし味方の戦況不利をみるとがまんができなくなり、アキレウスに武具を借りて出陣する。アキレウスの戦列復帰と思い込んだトロヤ軍はたちまち敗走するが、深追いしたパトロクロスは、アポロンに眩惑(げんわく)されたところをヘクトルに討たれて死ぬ。そのためアキレウスは、彼の復讐(ふくしゅう)を遂げるために、ふたたび戦陣に戻ることになる。[伊藤照夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のパトロクロスの言及

【アキレウス】より

…成人後,出征すれば早世する運命にあるとの母親の警告をふりきってトロイアに渡り,めざましい働きを示したものの,戦争の10年目に,捕虜の女奴隷をめぐる総大将アガメムノンとの争いがもとで戦闘を放棄,味方を敗北寸前にまで追い込んだ。しかし親友パトロクロスPatroklosの戦死を機に再び武器をとり,敵の総大将ヘクトルを討って友の仇を報じた。彼はさらにアマゾン族の女王ペンテシレイア,曙の女神エオスの子メムノン等を討ったが,トロイア王子パリスに矢をかかとに射かけられて落命したという。…

【ヘクトル】より

…アステュアナクスAstyanaxの父。彼はたんに勇敢なばかりか,情理をもわきまえた名将としてよく祖国防衛の任にあたったが,戦争の10年目に,ギリシア軍最大の英雄アキレウスの身代りに出陣したパトロクロスPatroklosを討ち取ったため,親友の死に奮起したアキレウスとの一騎打ちに敗れて戦死した。その死体は戦車に引きずられてアキレウスの陣屋に運ばれ,10日余も野ざらしにされたあと,莫大な身代金でプリアモスに贖(あがな)われた。…

※「パトロクロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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