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パンチャタントラ パンチャタントラ Pañcatantra

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パンチャタントラ
パンチャタントラ
Pañcatantra

古代インドサンスクリット説話集。題名は「5巻の物語」の意。原本は散逸して現存せず,作者,成立年ともに不詳。 550年頃一伝本が中世ペルシア語パフラビー語に翻訳されたという。『朋友の分離』『朋友の獲得』『鴉 (からす) と梟 (ふくろう) の争闘』『獲得したものの喪失』『思慮なき行為』の5巻から成る。

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デジタル大辞泉の解説

パンチャタントラ(〈梵〉Pañcatantra)

《5巻の書の意》古代インドのサンスクリット語の説話集。5編からなり、3世紀ごろ成立。バラモンのビシュヌシャルマンが寓話に託して、三人の王子に、王侯・大臣に必要な政治・処世・倫理について教えるもの。

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百科事典マイペディアの解説

パンチャタントラ

古代インドのサンスクリット説話集。〈5編の物語〉の意。原作者・年代ともに不明であり原本も伝わらないが,異本数種がある。バラモン僧が王子の教育のために,処世・外交などの要訣を教える構成をもつ。

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世界大百科事典 第2版の解説

パンチャタントラ【Pañcatantra】

古代インドのサンスクリットの説話集。〈5編の物語〉の意。原本は散逸して現存せず,原作者も年代も不明であるが,原本から多数の支本が生じ,数種の異本が伝わっている。発端物語すなわち全体の枠物語によれば,アマラシャクティ王の委嘱によって,賢明なバラモンのビシュヌシャルマンが,3人の王子に王者としての教育を授けるため,寓話に託して処世,統治,外交,倫理等の要訣を教えたということになっている。題名の示すように,〈朋友の分離〉〈朋友の獲得〉〈鴉(からす)と梟(ふくろう)の闘争〉〈獲得したものの喪失〉〈思慮なき行為〉という5編から成っているが,各編にはそれぞれ枠物語があって,その中に多くの挿話が含められ,散文に教訓的詩句を交えて語られている。

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大辞林 第三版の解説

パンチャタントラ【Pañcatantra】

古代インドのサンスクリット説話集。王の命をうけて、ビシュヌシャルマンが、寓話に託して、処世・統治・外交・倫理など国王としての心得を三人の王子に説くという筋。六世紀以来諸国語に翻訳され、説話文学に大きな影響を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パンチャタントラ
ぱんちゃたんとら
Pacatantra

古代インドのサンスクリット説話集。原本は散逸、作者も年代も不明であるが、6世紀ごろには中世ペルシア語のパフラビー語に翻訳されたという。これも伝わらず、さらにシリア語に訳された(570ころ)ものは、原本に登場する二匹の豺(さい)、カラタカとダマナカの名をとり『カリーラとディムナ』とよばれ、ペルシア語、アラビア語、ギリシア語など西方諸国語の訳本はみなこの題名でよばれる。本書はアマラシャクティ王の命により、賢いバラモンのビシュヌシャルマンが3人の王子に王者としての教育を施すため、寓話(ぐうわ)に託して処世、統治、外交、倫理の要訣(ようけつ)を教えるというのが枠になっており、「朋友(ほうゆう)の分離」「朋友の獲得」「鴉(からす)と梟(ふくろう)の争闘」「獲得したものの喪失」「思慮なき行為」の五編からなり、各編はさらに多数の挿話を含み、散文に格言的詩句を交えている。サンスクリットだけでも数種の異本が伝わり、そのうちカシミールに伝わった『タントラーキヤーイカ』は、諸伝本のうちもっとも古い形を伝えるものといわれる。ベンガル地方に伝わった1本は『ヒトーパデーシャ』とよばれて大いに普及した。『パンチャタントラ』は東西五十数か国語に訳され、なかにはグリムの童話やラ・フォンテーヌの寓話に素材を提供している話も多い。またチベットや蒙古(もうこ)にも伝えられ、「猿の生き肝」(くらげ骨なし)や「二羽の白鳥と亀(かめ)」(雁(がん)と亀)のように、日本に伝わっている話もあるが、同じ話は仏教説話のなかにもみいだされるから、おそらく漢訳の仏典を通じて伝わったものと思われる。その内容、形式は東西諸国の説話文学に多大の影響を与え、世界文学史上重要な地位を占める。[田中於莵弥]
『田中於莵弥・上村勝彦訳『アジアの民話12 パンチャタントラ』(1980・大日本絵画)』

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世界大百科事典内のパンチャタントラの言及

【インド文学】より

… 世界文学の上から最も重要な意義をもっているのはインドの説話文学である。5編から成る教訓的説話集《パンチャタントラ》の原本は散逸したが,数種の異本により伝えられ,6世紀以後シリア語,アラビア語等に翻訳され,《カリーラとディムナ》あるいは《ピルパイの物語》の名で広く東西諸国に広がり,世界各国の説話文学に大きな影響を与えている。10万頌から成りパイシャーチー語で書かれたというグナーディヤ作の大説話集《ブリハット・カター》も原本は失われたが,要約本が数種伝わり,ソーマデーバの《カターサリットサーガラ》は最も有名である。…

【カリーラとディムナ】より

…アラビア散文文学の最古の作品。ササン朝ペルシアのホスロー1世(在位531‐579)によってインドに派遣された医師ブルズーヤBurzūyaは,多数の医学書とともにサンスクリット語の寓話集《パンチャタントラ》を持ちかえった。これはやがて中世ペルシア(パフラビー)語に訳されたが,8世紀にイラン系のイブン・アルムカッファーがこれをさらにアラビア語に重訳したのが《カリーラとディムナ》である。…

【寓話】より

…ルネサンス期フランスでは寓話として見るべき作品はないが,17世紀にJ.deラ・フォンテーヌが韻文による《寓話》(1668‐94)を刊行して伝統を一新した。ラ・フォンテーヌはイソップ寓話のみならずインドの《パンチャタントラ》その他からも題材を得て約240編のみごとな詩編を創造し,従来いわば一般的な世間知の集成であった寓話を個性的な芸術作品とした。以後フランスでは寓話といえばもっぱらラ・フォンテーヌの作品を指すようになり,現在にいたるまで彼の詩句そのままが暗誦されている。…

【ジャータカ】より

… ジャータカはインド各地の昔話や寓話にもとづいているため,共通の説話がヒンドゥー教やジャイナ教の聖典中にも見いだされる。これらの民話を集成した《パンチャタントラ》は,のちにシリア語やアラビア語に訳されて西方に伝播し,《イソップ物語》や《アラビアン・ナイト》,さらには《グリム童話》,J.deラ・フォンテーヌの《寓話》などに影響を与えた。また,日本へも前述の漢訳文献を通じて《今昔物語集》などに入っている。…

【ステファニテスとイクネラテス】より

…動物寓話の形式をとった君主学の書であるサンスクリット文学の《パンチャタントラ》のギリシア語版。6世紀にパフラビー語訳,同世紀末にシリア語訳,8世紀にアラビア語訳されたのち,11世紀にシュメオン・セトにより,《カリーラとディムナ》と題されたアラビア語版からギリシア語版がつくられた。…

【説話文学】より

…仏教の説話文学として有名な〈ジャータカ(本生譚)〉や〈アバダーナ(譬喩譚)〉は,当時の民間説話を仏教化したもので,同じ内容をもつ説話はバラモン教系統の説話集にも多く見いだされる。 サンスクリットの説話集《パンチャタントラ》は,東西説話文学交流の上から最も重要な作品で,原本は散逸して作者,年代ともに不明であるが,多数の支本を生じ,多くの異本が伝わっている。カシミールに伝わった《タントラーキヤーイカTantrākhyāyika》は,諸伝本のうち最も古い形を伝えるものといわれ,またベンガルの伝本はナーラーヤナ(10世紀ころ)によって改編され《ヒトーパデーシャ(有益な教訓)》とよばれてひろく普及した。…

【ヒトーパデーシャ】より

…本書の題名は〈有益な教え〉という意味で,大学者ビシュヌシャルマンがスダルシャナ王の愚かな王子たちのために,物語に託して処世の学を説くという体裁をとっている。内容は《パンチャタントラ》(5巻の書)の改作にほかならないが,本書は4巻であり,構成上の配慮がうかがわれる。また,《パンチャタントラ》の挿話の位置を変え,省いている場合もあるが,反対に新たに17編の挿話を加え,その間に含まれる教訓詩の数は,多大に増大しており,作者自身の作ったと思われる新しい詩節も含まれている。…

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