ヒトーパデーシャ(読み)ひとーぱでーしゃ(英語表記)Hitopadeśa

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒトーパデーシャ」の意味・わかりやすい解説

ヒトーパデーシャ
ひとーぱでーしゃ
Hitopadeśa

古代インドのサンスクリット説話集。「有益な教訓」の意。ナーラーヤナ(9世紀)の作。ベンガルに伝わった説話集『パンチャタントラ』の一伝本で、原本の五編を四編に改編し、独特の説話17を加え配列にも改訂を加えている。題名の示すように格言的詩句を多く含み、寓話(ぐうわ)に託して実践道徳、処世訓に重きを置いている。文体平易で、『パンチャタントラ』の諸伝本中もっとも普及した。

[田中於莵弥]

『金倉円照・北川秀則訳『ヒトーパデーシャ――処世の教え』(岩波文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒトーパデーシャ」の意味・わかりやすい解説

ヒトーパデーシャ
Hitopadeśa

古代インドのサンスクリット説話集『パンチャタントラ』のベンガルに伝わった伝本。「有益な教訓」と訳される。ナーラーヤナ (9世紀頃) が原本の5編を4編に改編,平易に要約したもの。

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