パーソナル無線(読み)パーソナルムセン

世界大百科事典 第2版の解説

パーソナルむせん【パーソナル無線 personal radio】

シティズンバンド・ラジオの混信などの不便さを解消するため1983年から日本で許可されている900MHz帯を使った簡易無線。運用資格は不要であるが無線局免許は必要。電力は5W,チャンネルは80あり,無線機が自動的に空きチャンネルを探してつないでくれるので混信の心配もまずない。市街地で3~5km,郊外で10~20kmの通信が可能。個人的な連絡,仕事の連絡などに幅広く使われ,携帯型,車載用,建物に置く基地用と多機種があるので,車と車,車と家庭,車と会社などの通信ができ,アンテナもある程度まで大型のものが使える。

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大辞林 第三版の解説

パーソナルむせん【パーソナル無線】

特別な資格なしに、登録するだけで開局できる無線局。日本では、出力を5ワット以下とし、周波数は900メガヘルツ 帯が割り当てられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パーソナル無線
ぱーそなるむせん

簡易無線局のうち、903.0125メガヘルツおよび、903.0375メガヘルツを超え904.9875メガヘルツ以下の周波数を使用し5ワット以下の空中線電力で、F2D電波またはF3E電波で運用するものをいう。無線通信は無線従事者の免許をもたなければ行ってはならないが、特例として特定の周波数と電波の型式を用い、低電力で送受信するものは簡易無線局として免許がなくても運用が許される。パーソナル無線はこの簡易無線局の一種として規定されている。F2D電波とは、データ伝送を目的とするデジタル信号で変調された副搬送波で、主搬送波を周波数変調するものであり、F3E電波とは、電話通話のような単一チャネルのアナログ信号で、主搬送波を周波数変調する電波の型式である。
 パーソナル無線を設置しようとする者は、無線局免許手続規則第3条によって申請を行う必要がある。使用する無線装置は、電波法第38条の2第1項に規定する技術基準適合証明を受けた無線設備だけを使用しなければならず、適合証明を受ける条件として、総務大臣が認める方式による呼出名称記憶装置を装置していなければならない。また、呼出名称記憶装置に記憶した呼出名称は容易に消去できないものであり、呼出名称を記憶しなければ電波の発射が不可能となるような構造としなければならないことになっている。903.0125メガヘルツには電波の型式としてF2D電波だけが指定され、他の周波数はF3E電波が指定されている。1チャネルに割り当てられる帯域幅は12.5キロヘルツで、157チャネルが割当て可能である。
 パーソナル無線は陸上において設置場所が移動してもよい。900メガヘルツ帯の電波は光のように直進するから、通達距離は、とくに高いアンテナ塔を使用しなければ30キロメートル以内であり、他の地域には同じ周波数も割り当てられる。したがって装置の移動によって混信を生じることも多い。パーソナル無線は最盛期の1992年(平成4)には170万局を超える盛況を誇ったが、携帯電話の普及とともに減少し、2010年(平成22)末には2万局を割るに至った。このため、総務省は「周波数再編アクションプラン(平成22年2月改正版)」において、「パーソナル無線を平成34年11月30日を期限として廃止することとし、廃止時期の前倒しも検討する」と公表した。これは2008年8月に400メガヘルツ帯の簡易無線のデジタル化に係る制度整備が行われたことを踏まえての措置であるとしている。[石島 巖]

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