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ヒツジグサ Nymphaea tetragona; water lily

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒツジグサ
Nymphaea tetragona; water lily

スイレン科の多年草。アジア東部に広く分布し,日本各地の池や沼に生える。水底の泥中にある短い根茎から長い葉柄を出し,長楕円形または円形の葉を水面に浮べる。葉の長さは約 15cm,上面は光沢のある緑色で下面は赤紫色をしている。夏,細長い花柄を根もとから出し,水面に直径約 5cmの花を開き夕方には閉じる。萼片は4枚,花弁は白色で多数あり,内部のものはしばしばおしべに変る。おしべは多数あって螺旋状に配列する。果実は卵円形の液果で,熟すると多数の黒い種子を水中に放出する。この植物は日本に野生するスイレンであるが,観賞用に栽培されるスイレンはこのヒツジグサのほかに熱帯または温帯に産する同属のものや,その園芸品種などで,普通熱帯スイレンと呼ばれる。黄色の花を咲かせるオトコスイレン,花は濃藍色で香気高く,直径 12~20cmもあるアフリカスイレン,インド原産で花は夜咲き暗赤色の N. rubraなどがよく栽培される。

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百科事典マイペディアの解説

ヒツジグサ

スイレン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒツジグサ
ひつじぐさ / 未草
[学]Nymphaea tetragona Georgi var. angusta Casp.

スイレン科の多年生水草。日本に野生する唯一のスイレンである。葉は楕円(だえん)形で基部は深く切れ込み、水面に浮かぶ。夏、水面上に白色花を開く。花冠は径3~5センチメートル、多数の花弁がある。名は、未(ひつじ)の刻(午後2時ころ)に開花するとしてつけられたが、実際は午前中に開花する。池沼、川に生え、本州、九州に分布する。基本種エゾノヒツジグサは北海道および東アジア、シベリア、ヨーロッパに分布し、葉の切れ込みは深く、花弁の幅は広いが、ヒツジグサと明確には区別できない。[伊藤元巳]

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世界大百科事典内のヒツジグサの言及

【湿原】より

…池塘(ちとう)pond(ブレンケともいう。高層湿原にできる池)には,ヒツジグサ,オゼコウホネなどの浮葉植物,ミヤマホタルイなどの抽水植物,マット状に張り出したミツガシワが生育し,浮島がみられたりする。 アイルランドなどの極端に湿潤な海洋性気候下では,土壌は塩基が溶脱されて酸性となり,鉱物質基盤の上にミズゴケが直接生育できるため,ドームは形成されずに地形なりにミズゴケ類が平坦に広がったブランケット湿原blanket bogが発達する。…

【スイレン】より

…柱頭は盤状になる。ヒツジグサN.tetragona Georgiは,北半球の温帯域に広く分布する比較的小型のスイレンで,日本に野生する唯一のものである。ヒツジグサの名前は未(ひつじ)の刻(午後2時)に花が開くことからつけられたといわれているが,午前中に開花する。…

※「ヒツジグサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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