ヒドロペルオキシド(読み)ひどろぺるおきしど(その他表記)hydroperoxide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒドロペルオキシド」の意味・わかりやすい解説

ヒドロペルオキシド
ひどろぺるおきしど
hydroperoxide

一般にヒドロペルオキシ基‐OOHを有する化合物総称脂肪族あるいは脂環式炭化水素基をもつ化合物は酸素により自動酸化を受け、しばしばヒドロペルオキシドを生成する。たとえば、油脂の自動酸化によるヒドロペルオキシドの生成はその劣化あるいは酸敗をもたらし、油脂の材料や食品としての性質を低下させる。しかし、工業的には有機化合物の自動酸化によりヒドロペルオキシドを製造し、これから有用な製品を製造する。クメンイソプロピルベンゼン)の自動酸化により生成させたヒドロペルオキシドを酸で分解して、フェノールアセトンを製造するのはその一例である。また酸化力に富む。一般に油臭い刺激臭。身体に触れさせないことが必要である。

[徳丸克己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ヒドロペルオキシド」の解説

ヒドロペルオキシド
ヒドロペルオキシド
hydroperoxide

一般式ROOHで示される,過酸化水素誘導体の総称.Rがアルキル基のものだけが知られている.一般に,炭化水素の空気による自動酸化,酸性触媒存在下におけるアルケン二重結合への過酸化水素の付加グリニャール試薬と酸素の反応などによって生成する.還元剤で相当するアルコールになり,アルカリ金属と塩をつくる.低級化合物は爆発性の液体であり,もっとも安定なt-ブチルヒドロペルオキシドも100 ℃ で分解する.工業的には,ケトン合成の中間体として用いられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ヒドロペルオキシド」の解説

ヒドロペルオキシド

 -O-O-H の構造をもつ化合物.生体内では脂肪酸のヒドロペルオキシドが生成する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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