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ビオレ・ル・デュク Eugène Emmanuel Viollet‐le‐Duc

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世界大百科事典 第2版の解説

ビオレ・ル・デュク【Eugène Emmanuel Viollet‐le‐Duc】

1814‐79
フランスの修復建築家,建築史家,建築理論家。パリ生れ。エコール・デ・ボザール(国立美術学校)を忌避して独学で建築を学び,文化財保護技監であったP.メリメに認められてベズレーラ・マドレーヌ教会の修理に当たった。ついで老練の建築家ラッシュスJean‐Baptiste Lassusとともに,1845年よりパリのノートル・ダム大聖堂の修復工事を担当してその地位を固めた。その後,文化財保護委員会委員,宗務省の建築技監として活躍し,シャルトルランスアミアンなどの大聖堂やカルカソンヌ市の城壁,ピエールフォン城(ナポレオン3世の命による)などの修復に当たった。

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世界大百科事典内のビオレ・ル・デュクの言及

【カルカソンヌ】より

…シテとよばれるオード川右岸丘陵上の都市は古代に起源をもち,13世紀初頭の破壊ののちルイ9世,フィリップ3世によって復旧,補強された。その後,軍事上の意義が失われ,城塞都市は荒廃の一方であったが,19世紀になって,作家で歴史家のメリメの進言に基づいてその歴史的意義が認められ,美術史家ビオレ・ル・デュクがもとの姿に復元した。シテは城館を囲む城壁を含めると三重の厚い城壁に囲まれ,外壁の周囲は1kmに及び,今日ヨーロッパに残された最大の城塞都市として知られる。…

【近代建築】より

…また,19世紀建築に対してはゴシック様式が強い影響力をもっており(ゴシック・リバイバル),産業革命後の社会に対する批判や,あるべき建築の姿の探究にもゴシックの造形原理,中世の都市やデザイン工房組織を理想に据える態度が見られる。建築を同時代の社会観・宗教観の反映と見るピュージンや,ゴシック建築を構造合理性の極致として解釈してみせたビオレ・ル・デュクはその典型である。中世をモデルとする態度は19世紀の建築,都市論の特徴といってよいが,それは20世紀の〈田園都市Garden City〉やバウハウスなどの理念にも受け継がれている。…

【建築学】より


[近・現代の建築理論と建築家の職能]
 19世紀初めには,すでに西欧諸国では産業革命が進展しており,従前のオーダー中心の建築観では,新しい社会的要求にこたえられず,それらの課題のかなりの部分が新しく出現してきたエンジニアによって担われ,建築の中に芸術と工学技術の二極分解を生じさせ始める。その中で,ゴシック・リバイバルの論客であるイギリスのラスキン,フランスのビオレ・ル・デュクらは,反古典主義の立場を表明するとともに,建築技術における倫理性の追求という新たな課題を提起し,芸術的なるものと工学的技術との再統合を図ろうとした。彼らの論点はW.モリスによって広くデザイン一般の問題にまで敷衍(ふえん)され,さらにそれが20世紀のバウハウスに引き継がれる。…

【ゴシック・リバイバル】より

…やがてイギリスにはピュージン,G.G.スコット,ストリートらの建築家が輩出し,1830年代から70年代までは宗教建築のみならず,イギリス国会議事堂,王立裁判所などの公共世俗建築もゴシック様式でつくられた。フランスではビオレ・ル・デュクがピエールフォン城,ノートル・ダム大聖堂(パリ)など,中世建築の修復を通じて,ゴシック様式を合理的構造のモデルとして称揚した。しかし,70年代に入って,W.モリスが中世にユートピア的社会主義の理想を見いだし,ゴシック建築の修復工事が中世建築を改変・破壊するものだとの非難を行い,あらゆる時代の様式にはそれぞれ固有の価値があることを説いた。…

【比例】より

…バロック,ロココを通じてこの傾向はさらに強まり,18世紀の新古典主義においても,一部でフリーメーソンにより象徴的比例の復活がみられたものの,ロマンティックな超越的壮大さや不規則な美を求める傾向に押され,再び建築理論の中心的位置を占めるには至らず,近代の合理主義は,宇宙観とのアナロジーによる古典的な比例の伝統を完全に絶ち切ってしまう。 19世紀の建築理論家ビオレ・ル・デュクは,比例よりも尺度の重要性を説き,ある尺度に基づく基準格子(二等辺三角形)の使用を推奨している。一方,19世紀から20世紀初めにかけては,純粋な視覚上の問題として比例に関心が寄せられ,パルテノンなどの建築の美を,その比例やいわゆる視覚矯正などから解き明かそうとする試みが盛んとなり,その結果を制作にも反映させようとする動きがみられた。…

※「ビオレ・ル・デュク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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