ピリドキシン(読み)ぴりどきしん(その他表記)pyridoxine

翻訳|pyridoxine

デジタル大辞泉 「ピリドキシン」の意味・読み・例文・類語

ピリドキシン(pyridoxine)

ビタミンB6の化学物質名。

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精選版 日本国語大辞典 「ピリドキシン」の意味・読み・例文・類語

ピリドキシン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pyridoxine ) ビタミン6作用をもつ物質。化学式 C8H11NO3 白色結晶。米ぬか、酵母、糖蜜などに含まれ、微生物の生長因子として独自の活性をもつ。ビタミンB6別名ともされる。アデルミンともいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピリドキシン」の意味・わかりやすい解説

ピリドキシン
ぴりどきしん
pyridoxine

水溶性のビタミン(ビタミンB6)で、ピリドキサールおよびピリドキサミンとともに補酵素ピリドキサールリン酸pyridoxal phosphate(PLP)の成分である。PLPはアミノ基転移酵素(トランスアミナーゼ)の補欠分子族(補欠分子団)として働き、多彩な補酵素としてアミノ酸の多くの反応を触媒する。その多様な反応の根底に共通してみられるのは、PLPの触媒作用における次の三つの特徴である。

(1)PLP(カルボニル成分)とアミノ酸基質(アミン成分)によってシッフ塩基schiff baseが生成する。

(2)PLPは負に荷電した触媒中間体を安定化させるための電子の受け手electron sinkとなり、PLP環にある窒素がアミノ酸基質から電子をひきつけ、電子親和性触媒electrophilic catalystとなる。

(3)次に、産物のシッフ塩基は加水分解される。

 ピリドキシンは植物の種子、肝臓、ミルク、卵、葉緑植物に含まれる。幼若ラットをチアミンリボフラビンを補ったビタミン欠乏食で飼育したときにおこる皮膚炎に対して治療効果がある。ピリドキシンの塩酸塩(分子式C8H11NO3・HCl、分子量205.64)は、水に可溶であるが、エチルアルコールには溶けにくい。

[有馬暉勝・有馬太郎・竹内多美代]


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化学辞典 第2版 「ピリドキシン」の解説

ピリドキシン
ピリドキシン
pyridoxine

[別用語参照]ビタミン B6

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ピリドキシン」の解説

ピリドキシン

 →ピリドキソール

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のピリドキシンの言及

【ビタミン】より

…血清コレステロールを低下する作用も報告されているが,その機序は明らかでない。
[ビタミンB6
 水溶性ビタミンで,構造の密接に関連した三つの誘導体であるピリドキシンpyridoxine,ピリドキサールpyridoxal,ピリドキサミンpyridoxamineの総称である。この三つの誘導体は,酵素反応により相互に転換することができる。…

※「ピリドキシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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