精選版 日本国語大辞典 「ピロシキ」の意味・読み・例文・類語
ピロシキ
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ロシアまんじゅう。ピロシキとよばれるが、正式にはピラシキーで、1個ならピラジョークпирожок/pirozhokであるが、習慣で1個でもピラシキーとよんでいる。ピロシキは俵形、棒形が標準形だが、大形、変形にはピローグпирог/pirog、ラステガイ、クレビャーカ、クールニクがある。表皮は小麦粉の練ったもので、イースト入り、バターの多いパイ皮式、ベーキングパウダー入りがあり、これで種々の中身を包む。中身は肉、魚、卵、米、野菜、ジャムなどで、調理は油焼き、油で揚げたり、天火焼きにする。
ピローグは四角、楕円(だえん)形、円形で、クレビャーカは背高いもの、棒状、細長いものがあり、両者とも数人分以上の大形で、切り分けて食べる。クールニクは小形と大形があり、鶏肉を入れる。ラステガイはピロシキの中央をすこしあけて中身をみせる。これらは温前菜、スープの付け合せ、中身が肉なら肉料理、魚なら魚料理の一品料理としても通用する。軽食、弁当にもなり、ジャム入りは茶うけとなる。ピロシキは比較的近代のものだが、ニコライ2世の戴冠(たいかん)式のときのメニューにもみえ、現在、空港、街頭でも売られ、粉料理の代表格で、その名は広く普及し、いつでもどこでも多くの人に親しまれている。
[長屋美代]
小麦粉の皮で肉や野菜をつつんだロシア料理の一種。語源的には〈小さなピローグ〉(ピローグはパンのこと)を意味するが,料理品目としてはほとんど独立している。外皮にはイーストを入れて発酵させた練粉を用いるのがふつうで,詰物としては味つけをした牛や豚のひき肉,魚肉,あるいはゆで卵,米,キノコ,キャベツなどが使われる。天火で焼いたものと油で揚げたものの2種類に大別される。家庭における惣菜にも,正式な食事での前菜(ザクースカ)にも使われるが,ロシアの都市では四季を通じて街頭でつくり立てのピロシキが立売りされ,歩きながらほおばる市民の姿が見られる。
執筆者:中村 喜和
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