ピロス(古代ギリシアのエペイロスの王)(読み)ぴろす(英語表記)Pyrrhos

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ピロス(古代ギリシアのエペイロスの王)
ぴろす
Pyrrhos
(前319―前272)

古代ギリシアのエペイロスEpeirosの王(在位前307~前303、前297~前272)。王国のヘレニズム化に尽くした。幼少で即位したが、一時王位を追われ、紀元前297年の復位後、マケドニアと戦い、マケドニアのなかばおよびテッサリアを得る。アイトリアアテネと同盟したが、前283年、リシマコスに撃退された。その後、タレントゥム救援のためイタリアへ渡り、ヘラクレア(前280)、アスクルム(前279)でローマ軍を撃破、さらにシチリアへ転戦しカルタゴ軍と戦ったのち、イタリアへ戻る。前275年のベネベントゥムの戦いは決着のつかないままにエペイロスへ帰還。前273年、ペロポネソスに遠征し、スパルタ攻略失敗後、アルゴスで戦死した。

中村 純]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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