ファクタリング(英語表記)factoring

翻訳|factoring

デジタル大辞泉 「ファクタリング」の意味・読み・例文・類語

ファクタリング(factoring)

企業売掛債権を買い取り、自己の危険負担で代金回収を行うことを主とする金融業務。

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精選版 日本国語大辞典 「ファクタリング」の意味・読み・例文・類語

ファクタリング

〘名〙 (factoring) 売掛債権買取業務。企業が商品などを販売して得た売掛債権や手形を買い取り、それを管理し回収する。一九六〇年代前後からアメリカで急成長し、日本では昭和四七年(一九七二)に開始された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ファクタリング」の意味・わかりやすい解説

ファクタリング
factoring

売掛債権買取業務のこと。ファクタリング会社ファクター)は,取引先企業(クライアント)が売掛先(カスタマー)に商品などを売って得た売掛債権や手形を割り引いて買い取り,その管理,回収を行うとともに,売掛先の信用を調査し,みずからの判断に基づいて貸倒れのリスクを引き受け,また売掛金に対する前払金融を行う。売手企業にとっては,売掛代金の管理,回収という煩わしい業務から解放され,貸倒れリスクも回避でき,併せて金融も受けられることになる。現代的な意味でのファクタリングは19世紀末にアメリカで開発され,急速に発展した。1960年前後からは,アメリカのファクタリング会社の海外進出が進み,現在では西ヨーロッパ諸国をはじめ,世界二十数ヵ国でファクタリング取引が行われている。日本では,〈銀行法〉との関係で銀行が直接ファクタリング業務ができないため,関連会社を設立して行っている。72年11月に三和銀行とアメリカのFirst National Bank of Bostonとの合弁オリエントファクターが設立されて以来,銀行系や信販系のファクタリング会社の設立が相次いでいる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファクタリング」の意味・わかりやすい解説

ファクタリング
ふぁくたりんぐ
factoring

一般的には、債務者顧客に対する多数債権を、担保のために債権者が譲り受けることをいう。しかし、実際上では、このファクタリング業務の内容は多岐にわたっているようである。本来あるべき姿のファクタリングは、ファクタリング業務を営む者が、その顧客の有する現在および将来の売掛債権を、顧客に対する償還請求権なしで一括して買い取ることにより、顧客に資金を供与し、それに伴って、顧客の直面する経営経済上の諸問題についての情報を提供し、買い取った売掛債権の管理・回収をすることであるとされている。

[竹内俊雄]

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