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危険負担 きけんふたん Gefahrtragung

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

危険負担
きけんふたん
Gefahrtragung

双務契約の一方の債務が債務者の責に帰すことのできない原因により履行不能となって消滅した場合に,どちらの当事者がその損害を負担するかの問題をいう。これについては,他方の債務も消滅することとしてその危険を債務者に負担させる債務者主義と債権者に負担させる債権者主義,さらには所有権の移転の有無により,移転しなければ債務者,移転したときは債権者の負担とし,結局所有者に負担させる所有者主義などがある。

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デジタル大辞泉の解説

きけん‐ふたん【危険負担】

売買などの双務契約において、一方の債務債務者の責めに帰することのできない事由で履行不能となって消滅した場合に、他方の債務も消滅するかどうかの問題。

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百科事典マイペディアの解説

危険負担【きけんふたん】

双務契約において対価関係にある各債務のうち,一方の債務が債務者の責に帰すことのできない事由によって履行不能となって消滅した場合,他方の債務が消滅するかどうかの問題。

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不動産用語辞典の解説

危険負担

売買契約締結後、引渡しの前までに、売主が責を負わない事由(台風で建物が倒壊した、あるいは隣家の失火によって建物が類焼した等)によって売主の引渡義務が履行できなくなった場合に、買主の代金支払債務が消滅するのか、しないのかの問題です。
民法上は不動産のような特定物の売買における危険負担について、契約を締結したのちは買主がこれを負担することになっています
(民法第534条第1項)。つまり、買主は建物の引渡しを受けていなくても代金を支払わなければなりません。
しかし、売買契約を締結したのみで実際に所有権が移転していない段階で、危険だけを買主に負担させることは売買当事者間の公平を欠くとの批判も強く、民法534条を限定的に解釈すべきとの学説も有力です。
そこで、実際の取引においては、売買契約書の条文に「本物件の引渡前に、天災地変その他売主または買主のいずれの責にも帰すことの出来ない事由によって本物件が毀損したときは、売主は、本物件を修復して買主に引渡すものとする」と売主の負担の特約を定めるのが一般的です。
また、その修復が著しく困難で、買主が購入の目的を達することができない場合には、買主に契約解除権を与えることも多くなっています。

出典|不動産売買サイト【住友不動産販売】
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かんたん不動産用語解説の解説

危険負担

売買契約などにおいて、契約後引渡しまでの間、類焼などの不可抗力によって建物が焼け、売主の引渡し義務が履行できないようなとき、損害(危険)を当事者のいずれが負担するかという問題。

出典|(株)ネクストコーポレーション
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世界大百科事典 第2版の解説

きけんふたん【危険負担】

例えば,特定の家屋を売買する契約が結ばれた後にその家屋が類焼したときや,歌手が地方の劇場に出演する契約を興業主と結んだ後に交通が途絶して出演できなくなったときは,家屋の引渡しや出演という一方の債務は履行不能で消滅するが,代金支払や出演料支払という他方の債務はどうなるのかという問題が生じる。つまり,双務契約(双務契約・片務契約)において,対価関係にある各債務のうち,一方が債務者の責めに帰すことのできない事由により履行不能となって消滅した場合に,他方の債務はどうなるのかというのが,危険負担の問題である。

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大辞林 第三版の解説

きけんふたん【危険負担】

売買のような双務契約において、債務の一方が当事者の責任ではなく、不可抗力で消滅したとき、これと対価関係にある他方の債務が消滅するかという問題。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

危険負担
きけんふたん

売買のような双務契約において、一方の債務が債務者の責に帰することのできない事由で履行不能となって消滅した場合に、他方の債務も消滅するかどうかが問題とされるが、それを危険負担の問題という。たとえば、甲と乙とが売買契約を結び、甲の債務が甲の責めに帰することのできない事由(たとえば、家屋の類焼など)で履行不能となり消滅したとする。もし乙の債務もともに消滅するとすれば、甲の債務が履行不能によって消滅したことの危険は、その債務の債務者である甲が負担することになる。このような解決を債務者主義という。反対に、乙の債務が存続するとすれば、甲の債務が消滅したことの危険は、その債務の債権者である乙が負担することになる。このような解決を債権者主義という。
 民法は原則として債務者主義をとり、例外として債権者主義をとった。すなわち、両当事者の責めに帰することのできない事由による履行不能の場合の危険は、債務者(前例の甲)が負担するものとし、他の債務も消滅するものとした。したがって、履行不能によって消滅した債務の債務者(前例の甲)は反対給付を受ける権利を有しない(民法536条1項)。しかし、契約の目的が特定物に関する物権の設定または移転であるときには、危険は債権者(前例の乙)が負い、他の債務は消滅しないものとした。したがって、消滅した債務の債務者(前例の甲)は反対給付を受ける権利を失わない(同法534条1項)。ただし、実際的機能としては、例外(特定物)のほうが重要であって、債権者主義の合理性については疑問がある。学説上も批判があり、その適用範囲を制限する傾向が強い。なお、債権者の責めに帰すべき事由による履行不能の場合は債権者が負うのはいうまでもない。[淡路剛久]

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世界大百科事典内の危険負担の言及

【債権・債務】より

…このように,はじめから実現不能なことを内容とするとき,給付は原始的不能であって,債権は成立しえないといわれる。これに反して,債権成立後に不能を生じたとき,たとえば,前例において契約成立後に建物が,甲の失火や落雷によって焼失したような場合には(後発的不能),債権はいったん成立したことになり,甲の債務不履行(履行不能)により損害賠償請求権に転化するか(失火の場合),危険負担(落雷の場合)の問題を生ぜしめるかにすぎない。なお,ここで不能というのは物理的な不能だけでなく社会観念から不能とみられる場合をも含む。…

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