ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィリッポス5世」の意味・わかりやすい解説
フィリッポス5世
フィリッポスごせい
Philippos V
[没]前179. アンフィポリス
マケドニア王 (在位前 221~179) 。デメトリオス2世の子。アンチゴノス3世の養子となり,前 221年に王位を継承。ハンニバルと同盟を結び (前 215) ,ローマと戦って有利に和平を結んだ (第1次マケドニア戦争〈前 214~205〉) 。その後東方へ向い,セレウコス朝シリアのアンチオコス3世と結んでエジプトへ領土の拡大を試みたが,ロードスとペルガモンにキオス沖で敗れた。一方その好戦的姿勢はローマに戦端を開かせ,ためにテッサリアにおいて敗北した (第2次マケドニア戦争〈前 200~196〉) 。以後スパルタのナビスやアイトリアとの戦いでローマを助けるなど前 189年までローマと協調を続けたが,植民や鉱山開発,貨幣発行による財政立直しにより,国力の回復と増強に努めたため,ローマの介入を受け,反抗の準備中,死没。
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