公有財産(読み)コウユウザイサン

デジタル大辞泉 「公有財産」の意味・読み・例文・類語

こうゆう‐ざいさん〔コウイウ‐〕【公有財産】

国または公共団体が所有する財産
地方自治法上、地方公共団体の所有する不動産や、地上権地役権などの権利有価証券などの財産。

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精選版 日本国語大辞典 「公有財産」の意味・読み・例文・類語

こうゆう‐ざいさんコウイウ‥【公有財産】

  1. 〘 名詞 〙 国家、または地方公共団体に所有権のある財産。公共の利益のために使用される財産。地方自治法上は行政財産普通財産とに分けられる。公用財産。公産。⇔私有財産
    1. [初出の実例]「其の村の公有財産として土地を給す」(出典:屯田兵土地給与規則(明治二三年)(1890)二条)

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改訂新版 世界大百科事典 「公有財産」の意味・わかりやすい解説

公有財産 (こうゆうざいさん)

広義では,公共団体の所有する財産をいうが,地方自治法では,普通地方公共団体の所有する不動産船舶,地上権,特許権などを〈公有財産〉とし,これに物品債権および基金を加えて普通地方公共団体の〈財産〉としている(地方自治法237条,238条1項)。この狭義の公有財産は,国有財産法上の国有財産とほぼ同様の取扱いをうける。すなわち,公有財産は,行政財産と普通財産に分けられる(238条2項)。行政財産は,公用または公共用に供されまたは供されることを決定された財産で(238条3項),その性格上,貸付け,交換,売払い,譲与,出資または私権設定の対象とすることはできないが,その用途または目的を妨げない限度でその使用を第三者に許可することが許される(目的外使用許可。238条の4-1,4項)。普通財産は,行政財産以外のいっさいの公有財産で(238条3項),貸付け,交換などの対象とすることができるが,貸付契約については特別の解除権が認められ(238条の5-1,2項),また,売払い,交換,譲与も自由ではなく,入札手続や議会議決を経なければならないことがある(96条1項,234条)。普通地方公共団体での財産の取得,管理,処分は原則として長の権限であるが(149条6号),行政財産については,たとえば教育委員会に学校などの教育機関の用に供する財産の管理の権限が与えられており,この場合,長は総合調整権を有するにとどまる(238条の2)。
公有地
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「公有財産」の意味・わかりやすい解説

公有財産
こうゆうざいさん

広義では、地方公共団体の所有するすべての財産を意味するが、地方自治法では、この地方公共団体に属する財産のうち、土地・建物などの不動産、船舶・航空機などの動産、地上権・地役権などの用益物権、特許権・著作権などの無体財産権および有価証券などの財産が公有財産と称されている。地方自治法は、国有財産法の場合と同様に、公有財産を行政財産と普通財産とに区別する。行政財産とは、地方公共団体において公用または公共用に供し、または供するものと決定された財産をいい、普通財産とは、この行政財産を除いたすべての公有財産をいう。普通財産は私法上の取引の対象とされうるが、行政財産については、公用または公共用に供するというその目的からして、これを貸し付け、交換し、売り払うなどの行為は原則として認められていない。

[島田 茂]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公有財産」の意味・わかりやすい解説

公有財産
こうゆうざいさん

「国有財産・公有財産」のページをご覧ください。

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