翻訳|fair trade
英語で「公平な貿易」という意味。経済的にも社会的にも弱く、原料や製品を買いたたかれがちな発展途上国の生産者と、適正な価格で長く取引をすることで、生活改善と自立を目指す貿易の仕組み。行政や企業、市民団体などが連携して、地域での商品普及に取り組む「フェアトレードタウン運動」が世界各地に広がっている。
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発展途上国の農産物や雑貨などを、適正な価格で継続的に輸入・消費する取り組み。低賃金労働を強いられる傾向のある途上国で雇用を創出し、途上国の貧困解消や経済的自立を促すねらいがある。日本では「公正な貿易」「オルタナティブ・トレード」などともよばれる。
第二次世界大戦後、東欧諸国の経済支援を目的に西ヨーロッパで始まったとされる。1960年代に入ると、イギリスに「トレードクラフト」、ドイツに「ゲバ」といった民間フェアトレード専門団体が誕生し、アフリカ・アジア諸国への支援が本格的に始まった。世界フェアトレード機関World Fair Trade Organizationなど数多くの国際団体も発足し、団体や商品への認証制度もスタートした。社会的貢献活動の一環として、フェアトレードに積極的に協力する企業も出ている。
日本では1986年(昭和61)に、プレス・オールターナティブ・グループが「第3世界ショップ」を設立し途上国の民芸品や食品を輸入する活動を開始した。これを契機に生活協同組合や環境団体などを中心にフェアトレードが広がった。欧米のフェアトレードがコーヒー豆など食品や原材料を中心に発展してきたのに対し、日本では衣料品や雑貨の比率が高く、加工工程を必要とする分、経済支援効果が大きいとみられている。ただ国民生活白書によると、2007年(平成19)の日本の認定フェアトレード製品の売上高は10億円と、アメリカ(1178億円)やイギリス(1136億円)を大きく下回る。フェアトレードの普及は、WTO(世界貿易機関)を中心とする貿易自由化の流れに取り込まれた発展途上国や最貧国を、市民など草の根のレベルで支援するという側面もある。
[編集部]
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(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)
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