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フェンリル Fenrir

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フェンリル
Fenrir

北欧神話の怪。フェンリスともいう。悪神ロキと巨人の女アングルボザの子。フェンリルの怪力と悪業を恐れた神々は,ねこの足音,女の顎ひげ,魚の息などさまざまな不思議な材料でより合せた魔法の綱をつくり,それで彼を縛り,岩につないだ。フェンリルはラグナレクまでつながれているが,世界が破滅するときに解放されてオーディンを飲み込む。しかしオーディンの息子ウィザルに顎を引裂かれて最期をとげるという。

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デジタル大辞泉の解説

フェンリル(Fenrir)

土星の第41衛星。2004年に発見。名の由来北欧神話に登場する狼。非球形で平均直径は約4キロ。

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百科事典マイペディアの解説

フェンリル

北欧神話の巨大なオオカミ。ロキと巨人の女との間に生まれた子の一人。神々はこれを小人の作った魔法の足枷(あしかせ)グレイプニルでつなぐが,世界終末の日に足枷を切って魔軍とともに神々の世界を襲う。
→関連項目チュールラグナレクロキ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フェンリル
ふぇんりる
Fenrir

北欧神話のなかの怪狼(かいろう)。ロキとアングルボザの子。フェンリルが災いのもとになることを恐れた神々は、これに足枷(あしかせ)をはめようとするが、そのときにフェンリルを欺かない保証としてチュール神が片手をフェンリルの口に差し入れ、噛(か)みちぎられる。フェンリルは神々の滅亡のときまで岩につながれていたが、そのときがくると呪(のろ)いの紐(ひも)を食いちぎり、主神オーディンとわたり合って彼を飲み込む。しかしフェンリルは、オーディンの子ビーザルに口を引き裂かれ命を落とす。[谷口幸男]

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世界大百科事典内のフェンリルの言及

【オオカミ(狼)】より

…神話の中では終末論的イメージをもって現れる。例えば北欧神話では,世界の終末に怪狼(かいろう)フェンリルFenrirが主神オーディンをのみ込むし,太陽や月を追いかけ,ついにこれをのみ込むスコルScllとハティHatiというオオカミが出てくる。これは日食と月食を意味していると解される。…

【オーディン】より

…このほか,魔術の神,ルーンの神など複雑な神格をもつ。世界の終末には狼フェンリルに飲み込まれ生命を落とす。【谷口 幸男】。…

【北欧神話】より

…同じくオーディンの子チュールTýrは,アース神のうちでいちばん勇気のある神である。怪狼フェンリルFenrirをだまして神々が足枷をつけたとき,証しに手をその口の中に突っ込むことのできたのがこの神である。このときチュールは片手首を失った。…

【ラグナレク】より

…星々は天から落ち,大地は震え,木々は根こそぎにされる。怪狼フェンリルは自由の身になり,大口を開けて進み,ミズガルズの大蛇は毒を吹きながら陸に肉薄する。天は裂け,火の巨人スルトは巨人族を率いてやってくる。…

※「フェンリル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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