ロキ

デジタル大辞泉 「ロキ」の意味・読み・例文・類語

ロキ(Loki)

北欧神話の神。災いを起こし、またその解決をはかるトリックスターとして描かれる。

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百科事典マイペディア 「ロキ」の意味・わかりやすい解説

ロキ

北欧神話の神。元来は巨人族なのがオーディン義兄弟となってアースガルズに加わったとされ,善悪2重の性格をもつ。外貌は美しくまた才知にたけるが,気まぐれでずるく,しばしば神々を苦しめ,〈神々と人間の恥辱〉などと呼ばれる。神話では非常に活躍し,神々を助けもするが,バルドル殺害の張本人であり,また巨人の女との間にヘルミズガルズ蛇フェンリル狼をもうけて,世界の終末ラグナレク)には彼らを率いて神々と戦う。
→関連項目アース神族ヘイムダルホズ

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改訂新版 世界大百科事典 「ロキ」の意味・わかりやすい解説

ロキ
Loki

北欧神話の神。オーディントールといっしょに登場し,神々の世界に災いを持ち込んではまたその解決を図るトリックスター的存在。バルドルの神話やトールの妻シブの黄金の髪の話,女神イズンの若返りのリンゴ,トールとの巨人国への遠征など,ロキのかかわる話はエッダ神話の中でも最も精彩に富む部分である。ロキは巨人の生れだがオーディンと血を分けた義兄弟であるとされ,死の女神ヘル,怪狼フェンリル,〈ミズガルズの大蛇〉など恐るべきものを生む一方で,神々にオーディンの槍,トールの槌のような宝を提供する。ロキはバルドルの死後神々に捕らわれ,岩につながれるが世界の終末(ラグナレク)がくると捕縛を脱し,巨人族を率いて神々と人間のもとへ攻め寄せ,ヘイムダルと相討ちして果てる。ロキを火とする解釈(オルリク),水と見る学者(グラス),蜘蛛(セランダー,ロート),悪,寒冷,闇のシンボル(デュメジル)など諸説があるが,キリスト教の影響も考えられる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロキ」の意味・わかりやすい解説

ロキ
Loki

北欧神話の悪神。冥界,死を意味するヘル,フェンリルおおかみ,ミズガルズへびなど多くの怪物の父とされる。主神オーディンの義兄弟となり,彼やトル神の危機に際しては,その策略で彼らを助けるが,しばしば災厄をも起した。神々に敵対して招かれてもいない宴席に闖入,神酒を強要した。盲目神ヘズルを欺き,オーディンの息子バルドル神を殺害した罰として神々により岩につながれた。ラグナレクには悪の軍勢を率いて神々の国に攻め上ったといわれている。しかしロキについては不明な点が多く,一般の崇拝を受けた形跡はみられず,その名に由来する地名も発見されていない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロキ」の意味・わかりやすい解説

ロキ
ろき
Loki

北欧神話の神。ロキは巨人族の生まれであったが、『エッダ』によればオーディンと血を分けた義兄弟となる。バルドル神話やイドゥンの若返りのリンゴの話、トールとの冒険の旅の話など、北欧神話のなかでももっとも生彩のある部分に活躍し、神々の世界に災いを持ち込むと同時にその解決にもあたるというトリックスターである。また死の女神ヘルや怪狼(かいろう)フェンリル、大蛇ミドガルドなどのまがまがしいものを設ける一方で、神々のために多くの宝物を獲得する。ロキを火、水、クモ、悪の化身とするなど諸説があるが、これらはキリスト教からの影響とも考えられる。

[谷口幸男]

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デジタル大辞泉プラス 「ロキ」の解説

ロキ

アメリカの出版社マーベルコミックが刊行する漫画雑誌「マイティ・ソー」シリーズに登場するキャラクター。ソーの義弟で最大の敵役。同社のスピンオフ作品「アベンジャーズ」など多くの作品に登場する。

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